いわき市議会 > 2010-09-08 >
09月08日-04号

  • "ゲリラ豪雨"(/)
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  1. いわき市議会 2010-09-08
    09月08日-04号


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    平成22年  9月 定例会             平成22年9月8日(水曜日)議事日程 第4号 平成22年9月8日(水曜日)午前10時開議  日程第1 市政一般に対する質問---------------------------------------本日の会議に付した事件          〔議事日程第4号記載事件のとおり〕---------------------------------------出席議員(40名)     1番  坂本竜太郎君     2番  永山宏恵君     3番  赤津一夫君      4番  松本正美君     5番  蛭田源治君      6番  高木芳夫君     7番  山本健一君      8番  福嶋あずさ君     9番  坂本 稔君      10番  安田成一君     11番  大友康夫君      12番  阿部秀文君     13番  大峯英之君      14番  菅波 健君     15番  鈴木 智君      16番  小野邦弘君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  上壁 充君      20番  佐藤和良君     21番  小野 茂君      22番  塩田美枝子君     23番  渡辺博之君      24番  伊藤浩之君     25番  佐藤和美君      26番  木田孝司君     27番  酒井光一郎君     28番  矢吹貢一君     29番  遠藤重政君      30番  諸橋義隆君     31番  樫村 弘君      32番  鈴木利之君     33番  石井敏郎君      34番  安部泰男君     35番  溝口民子君      36番  高橋明子君     37番  岩井孝治君      38番  根本 茂君     39番  遊佐勝美君      40番  蛭田 克君欠席議員(なし)---------------------------------------説明のため出席した者 市長         渡辺敬夫君   副市長        伊東正晃君 副市長        鈴木英司君   教育委員会委員長   馬目順一君 教育長        遠藤宏之君   水道事業管理者    猪狩正利君 病院事業管理者    鈴木孝雄君   代表監査委員     仲野治郎君 農業委員会会長    鈴木 理君   選挙管理委員会委員長                               草野一男君 行政経営部長(兼)危機管理監      総務部長       木村 清君            大和田正人君 財政部長       百武和宏君   市民協働部長     佐藤 隆君 生活環境部長     吉田 浩君   保健福祉部長     本間靜夫君 農林水産部長     鈴木正一君   商工観光部長     前田直樹君 土木部長       松本 隆君   都市建設部長     田久三起夫君 会計管理者(兼)会計室長        消防長        渡邊徹矢君            大森 馨君 教育部長       渡辺紀夫君   監査委員事務局長   鈴木秀幸君 農業委員会事務局長  根本彰彦君   参事(兼)総務課長   大高雅之君 秘書課長       大和田 洋君---------------------------------------事務局職員出席者 事務局長       千葉和夫君   次長(兼)総務課長   箱崎紀雄君 議事調査課長     比佐野盛雄君  議事調査課主幹(兼)課長補佐                               鈴木庄寿君 議事係長       加藤高明君   調査係長       室 拓也君 主査         鈴木里美君   主査         高木文仁君 事務主任       佐々木洋和君  事務主任       伊藤好康君---------------------------------------               午前10時00分 開議 ○議長(矢吹貢一君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第4号をもって進めます。--------------------------------------- △日程第1 市政一般に対する質問 △高木芳夫君質問 ○議長(矢吹貢一君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。6番高木芳夫君。          〔6番高木芳夫君第二演壇に登壇〕 ◆6番(高木芳夫君) (拍手)おはようございます。6番いわき市議会浜風の高木芳夫であります。 きょうの雨は、私たちに潤いを与えてくれました。農家の方もほっと一息ついたことであろうかと思います。それにしても暑かったですね。他の地域に比べればまだましだとは思いますが、当いわき地方も決して涼しくはありませんでした。このような暑い中でも、市長職は激務でありまして、渡辺市長におかれては、東奔西走・八面六臂の御活躍、頭が下がる思いをいたしております。どうぞ御自愛いただき、決して御無理をなさらず、いわき丸のかじ取りを、1年経過して、改めてよろしくお願いいたします。 世相は円高・株安が続き、マスコミはこぞって円高不況をあおり立てておりますが、円高で好調な企業も決して少なくはありません。輸出依存の業種が大変なだけであると私は思います。バランスを欠いた産業構造が、問題として改めて出てきたものであります。リーマンショックの際にもそういう議論でありました。あれから2年たってもこの騒ぎですから、もう待ったなしで内需に目を向けた政策を提案すべきであろうと思っております。先日の新聞で、トヨタの社長は、売れるところでつくるという基本は維持しながらも、円高であっても日本の物づくりにこだわると言っていました。他の企業トップにも少しずつそういう輪が広がっていくことを期待したいし、日本の技術が本当に世界に認知されているのであれば、外国から日本に、たくさんの人がその技術を求めて来てくれると思っております。必要なら日本に来て商談しなさいという企業側からの強い発信も重要ではなかろうかなと思います。 そういうことを冒頭に申し上げまして、以下、質問に入ります。私の今回の質問は、生活者に直接的にかかわる問題を主に取り上げさせていただきました。以下通告順に従いまして、一般質問をいたします。 今議会においては、市民の安全・安心の暮らしに欠かせない公共土木構造物の維持管理について、大きく3つに分けて質問させていただきます。 大きな1番目、道路の維持管理についてお聞きします。 道路管理と申しましても、路面・側溝・路肩・植栽帯などいろいろあります。基礎的なことですが、細かくお聞きしますので、よろしくお願いいたします。 1点目として、市道、農道の管理についてお聞きします。 最初に、定期的に行う路面舗装の修繕の頻度について何年ごとに行われるのか、市道についていかがかお聞きいたします。 ◎土木部長(松本隆君) 定期的に行う市道の路面舗装の修繕の頻度につきましては、特に定めてはおりませんが、舗装の損傷は交通量などに大きく関係するものであるため、路面の損傷度合いやわだちの状況などを道路パトロール等により把握し、幹線道路を優先に、計画的に舗装の修繕を実施しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、農道についてはいかがですか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農道につきましては、定期的な修繕という実施手法ではなく、各地区からの情報をもとにしまして市が現地調査を行い、営農に支障がある場合にはその都度修繕などを実施しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) ただいまの御答弁では、定期的に行うことはないとおっしゃっていました。道路パトロールによってあくまでも決めていくということであります。そういう、繰り返しになりますが、ひびが目立ったり路肩が痛んだり、破損が結構目につくときがあろうかと思います。定期的に行うということでなければ、スポット的に行うときに、そのような場合はどんな基準で修繕いたすのか、その辺をお聞かせください。 まず、市道についてお伺いします。 ◎土木部長(松本隆君) スポット的に行う路面の維持補修等につきましては、道路パトロール等により、路面の沈下やひび割れ、あるいは舗装の欠損などの状況が確認された場合には、速やかに実施しているところであります。 ◆6番(高木芳夫君) 道路パトロール、地元からここが破損しているというようなことも視野に入れて対応するという考えでよろしいんですか。お聞かせください。 ◎土木部長(松本隆君) 基本的に、市が直接行っております道路パトロールによってそういう補修の必要性がある箇所を見つけることを基本としておりますが、何よりも市民の方々が日常利用されている道路ということでありますので、区長さん初め、市民の方々からそういう補修等の要望といいますか、情報が得られた場合につきましても、市が現地を確認いたしまして、必要があれば速やかに補修等を実施しているという状況になってございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、農道についてはいかがかお聞かせください。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農道につきましては、農作業などを行うトラクターなど農耕車両の通行が困難である場合など、営農活動に著しく支障があると判断された場合につきましては、いわばスポット的にその修繕を行っているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、次に、2点目として、道路側溝の管理について伺います。 溝ぶたのかかっていない側溝の掃除は住民でも簡単に行えますが、ふたの重量が30キログラムも40キログラムもある側溝は、ふたをあけるだけで大変でございます。 そこで、溝ぶたのある側溝の掃除の管理主体はどこにあるのか、市道についてですけれどもお伺いいたします。 ◎土木部長(松本隆君) ふたが設置してある側溝の管理主体ということでございますが、道路管理者である市でありますけれども、市道の側溝につきましては沿道の住宅からの生活排水も受け入れておりますことから、側溝の掃除につきましては、市民の皆様の御協力をいただきながら実施しているところであります。 ◆6番(高木芳夫君) 先ほど申しましたように、ふたが30キログラムも40キログラムもありますと、あけるのに腰を痛める場合もあります。その辺のところの知恵を住民の方にしっかりと周知せしめるようにお願い申し上げたいと思います。 次に、大雨時に道路が冠水するのをよく見かけます。これは、よくよく見ると集水ますがごみで詰まっている、草で詰まったりビニール袋で詰まったりということ、それで道路が傷む場合も結構あります。私も、経験上、ますの管理については口やかましく言ってきた経緯もございます。このますの掃除が大変重要になってくるのかなと私は思っておりまして、そこで、集水ますの掃除の管理主体はどこにあるのか伺います。 ◎土木部長(松本隆君) 集水ますの管理主体も道路管理者である市でありますが、市道の集水ますにつきましても側溝を経由して生活排水を受け入れておりますことから、集水ますの掃除につきましては、市民の皆様の御協力をいただきながら実施しているところであります。 なお、ごみが詰まりやすい集水ます、あるいは大きな集水ますでふたが非常に重いという集水ますにつきましては、雨の降る時期前に、例えば、梅雨とか台風が来る前、あるいは、きょう雨が降りましたけども、あらかじめ雨が降ると予想されている前日等に、道路パトロール業務等において重点的に巡回・点検し、必要に応じて清掃を行っているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) そういうことを住民の方にしっかり周知せしめるようにして、要は、重点的にどこを見てくれというようなお話をしっかりとしていただきたいなと思います。 次に、住宅地には勾配のない側溝が結構ありまして、そこは水がよどんで、ことしなどは非常に暑かったですから、においが発生しているんですね。そういう側溝をよく目にします。 そんな側溝の改善策にどんな方法があるのか、お金をかけないでできる方法もあろうかと思うんですが、その辺をお示しいただけますか。
    ◎土木部長(松本隆君) 勾配のない側溝の改善策といたしましては、側溝の底版をかさ上げすることにより排水勾配を確保する方法や、側溝の老朽化、それから地盤の沈下等で側溝の底版、底の部分でございますが、その調整が困難な箇所につきましては、年次計画による側溝の敷設がえ等により対応しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) よろしくお願いいたします。 それでは、3点目として、市道、農道の路肩の草刈りについて伺います。 最初に、草刈りの年間の回数の基準は何回としているのか、市道についてはいかがかお伺いいたします。 ◎土木部長(松本隆君) 路肩の草刈りの回数につきましては、特に定めているものではありませんが、交通に支障がある場合に、交通量の多い幹線道路を優先に、年間1回から2回程度実施している状況にございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、農道についてはいかがでございますか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農道路肩の草刈りにつきましては、受益者を中心とする地域の方々によりまして、隣接する農地の営農状況などとあわせまして、適宜実施されております。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、次に、草刈りの維持管理はどのようにしているのか伺います。 市道についていかがですか。 ◎土木部長(松本隆君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、路肩の草刈りにつきましては、主に主要幹線道路において実施しております。一方、生活道路の路肩の草刈りにつきましては、日常的に利用される市民の皆様の御協力をいただいて実施しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) 住民も協力的に環境美化のため進んでやっておりますが、高齢化とともに、また、範囲が大きくなって、大分疲れぎみであります。道路管理者としても、専門業者等々に将来的には一部、今もやっているとは思いますが、さらに委託することを検討していただきますようお願いしておきます。 それでは、次に、刈った草類の処分について、市道の場合にはどのようにしているのか伺います。 ◎土木部長(松本隆君) 刈った草類の処分につきましては、市の業務委託によるものは、市の清掃センター民間処理施設に搬入し、処分しております。また、地域の住民の皆様に刈っていただいたものにつきましては、処分の要請があれば市において施設へ搬入し、処分している状況にございます。 ◆6番(高木芳夫君) 農道の場合はいかがでございますか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農道につきましては、受益者を中心とします地域の皆様方により実施されておりますので、その処分につきましても、適宜の方法により対応していただいております。 ◆6番(高木芳夫君) 刈った草の処分が大事でありまして、これが、今までのところいわき市はあまり大雨が降っていないから目立たないんですが、大雨時にその草類が全部下流域に流されまして、海岸に全部上がってしまうわけですね。これがまた、海岸で掃除するのが大変でございます。 次に農道について聞きますけれども、やはりなかなか難しいとは思うのですが、焼却処分もあってもいいのかなと。堆肥が1つの方法としてあると思うんですが、その場で、あるいはどこかで集めて農地で燃やすという方法も考えてもいいのではないかなと思うんですが、その辺はいかがでございますか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) いわゆる野焼きにつきましては適当ではないと、このような判断でございますので、枯れるのを待ちまして、適宜・適切に適正な処理をお願いしたいと考えてございます。 ◆6番(高木芳夫君) わかりました。いずれにしても、そういうこともはらんでいるということを認識しておいてください。 それでは、中山間部においては、田畑の草刈りが近年大変になってきております。農業人口の減少とともに1人当たりの労働がふえてきておりまして、将来的に破綻してしまう危惧があるのではないかなと思っております。政治家も、行政と連携して抜本的にこのことを考えていかないといけない時代になったのかなということを申し上げておきまして、次の質問に入ります。 4点目として、植栽部の維持管理について、確認の意味で伺います。 まず1つ、木の剪定はどのくらいの頻度が標準なのかお示しください。 ◎土木部長(松本隆君) 市道における街路樹の植栽の剪定の頻度につきましては、樹種や場所等にもよりますけれども、おおむね、樹高3メートル以上の高木では3年から4年に一度、3メートル未満の中低木では2年から3年に一度の剪定を標準として実施しております。 ◆6番(高木芳夫君) 植栽帯の中には、低木の中に雑草も結構目立つ場合もあるわけです。この雑草類が非常に目立つわけでありまして、この除去は年に何回くらいやるのかお伺いします。 ◎土木部長(松本隆君) 植栽帯の雑草類の除去につきましては、主に幹線道路等において、年に一、二回程度行っております。 ◆6番(高木芳夫君) 植栽部のある市道は多くはないと思います。今も答弁がありましたように、幹線道路が主であると思います。ある意味で、本市の顔になる要素も占めておりますので、不快感を与えない程度の管理はよろしくお願いしておきます。 維持管理にかかる費用は、大変気になるところであります。物をつくるのはそれほど難しくはないものですが、それを維持していくことがそれ以上に大変であると認識します。市民の方も、わかっているようで知らないところもあると思われますので、5点目として、道路関係の維持管理費の総額の年間予算額についてお聞きします。 市道については幾らですか。 ◎土木部長(松本隆君) 市道の維持管理費年間予算額といたしましては、平成22年度の当初予算におきましては、道路維持補修費舗装再生事業費街路樹剪定委託費の合計で7億800万円となっております。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、農道については幾らくらいかかっていますか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農道につきまして、平成22年度当初予算額で申し上げますと、補修等の経費は1,227万6,000円となっております。 ◆6番(高木芳夫君) 市道は予算的に大分計上していますが、農道はほとんど受益者でやっていただくというようなことが読み取れるのかなと思います。 近年、各地区に道路愛護団体が立ち上がっております。住民がまちづくりの目標をもって一生懸命やっていることは、周知の事実であります。 そこで、6点目として、道路愛護団体認定になったとき、自治体から団体への助成はあるのか、この辺を伺います。 ◎土木部長(松本隆君) 道路愛護団体に対する市から団体への助成につきましては、本市では、市道に係る愛護団体認定制度はありませんが、市内の道路や公園などの公共空間を清掃されている市民・市民団体・事業者の方々に対しましては、クリンピー応援隊に登録する制度がございまして、この制度の中で、清掃用具の支給やごみの収集などの清掃活動を支援しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) よくわかりました。 それでは、大きな項目の2番目、河川の維持管理についてお伺いします。 ことしも、御存じのように西日本でゲリラ豪雨による洪水被害がありました。幸いにも本市では大雨がなく平穏でありますが、河床部に土砂がたまったり、ヨシ等が繁茂している状況をよく見かけます。こういうところが最近目立っておりまして、これが河川の流水断面を侵しているわけです。 そこで、1点目として、市管理河川の河床部の断面確保について、何点かお伺いします。 まず、市として、土砂撤去を計画的に行う考えはないか伺っておきます。 ◎土木部長(松本隆君) 河川の堆積土砂の撤去につきましては、河川の勾配等の特性によりまして堆積の状況が異なりますことから、河川の流下能力に大きな影響が生じないよう、河川の現状、土砂撤去の必要性について個々に判断するとともに、地元からの要望を踏まえまして対応しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) 土砂撤去までやると大分お金がかかるからなかなか遅々として進まないというところもあるかと思います。 それでは、河床部、草刈りだけでも刈ってくれと、こういう話をよく聞きます。この草刈りについては、前もって先行してやるということも踏まえてお答えいただければありがたいと思います。 ◎土木部長(松本隆君) 河床部の草刈りにつきましては、草の繁茂、茂り具合ですけれども、この草によって流下能力の低下が著しく懸念される場合には、特に、出水時期の前等において、現地を確認した上で適宜対応させていただいているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、市として、土砂撤去をしなければならないという気持ちはあっても、捨て場の確保が非常に難しい、だから先送りせざるを得ないと、こういう話も耳にすることがありますけれども、例えば、地元で捨て場を用意したときに、市としての対応に変化はありませんか。要は、地元で捨て場を用意するから土砂撤去を早くやってくださいと、こういう話になったときに対応してくれるのかどうか、その辺を伺っておきます。 ◎土木部長(松本隆君) 堆積土砂の撤去につきましては、河川の現状等に応じ対応することを方針としていることから、地元で捨て場を用意するということによって、基本的にその方針が変わるということではございませんけれども、やはり実際に土砂撤去を実施するに当たりまして、このような地元からの協力があれば、より円滑な事業執行につながるとは考えております。 市の管理河川については、撤去する土砂の量も非常に少ないということでございますけれども、一方で、県が管理する二級河川の場合は、撤去する土砂も大規模で、福島県いわき建設事務所でも投棄に困っている状況もあると聞いております。その場合には、近くの地元の皆さんの協力があれば、堆積土砂の事業につきましては円滑に対応できるのではないかと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) 前向きな御発言かなと評価したいと思います。 それでは、次に、先ほどの道路と同じように、河川管理の維持管理に相当な費用を本市としてもかけていると思います。その維持管理費の総額、予算ベースで幾らになっているのか伺っておきます。 ◎土木部長(松本隆君) 平成22年度の当初予算で申し上げますと、土砂撤去を行う委託料等が1,619万6,000円、護岸の補修等を行う維持補修工事費が250万円、合わせて1,869万6,000円となっております。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、先ほど部長も答弁の中で触れられましたけれども、2点目として、本市にある二級河川の維持管理について、ここも、先ほどの答弁にありましたように、河床部に土砂の堆積、あるいは、背丈以上もあるヨシ等の繁茂が大分目立ちます。この辺のことに関して、県の現状の考え方をわかっていれば伺いたいと思います。 ◎土木部長(松本隆君) 県が行う二級河川の維持管理におきましては、安全確保を図るため、定期的に河川パトロール等を実施し、河川施設の保全に努めるとともに、河床部の土砂やヨシ等の撤去につきましては、地元からの要望も踏まえ、河川の現状等から必要性を判断し、対応しているとのことでございます。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、先ほど市の考え方もただしましたが、県も、地元で捨て場の確保などできる努力をしたときに、事業のインセンティブを与えてくれないのか、市としてはどのように思っておりますか。想像でしか答えられないかもしれませんけれども、何か答えがありましたらお聞かせください。 ◎土木部長(松本隆君) 先ほども御答弁申し上げましたけれども、二級河川の土砂撤去につきましても、捨て場の確保、あるいは地元でできる努力というので事業実施に直接的なインセンティブというものはないとは思われますけれども、やはり地域の方々が土砂の処分場の確保とか、そういう形で御協力いただければ、その堆砂除去等の維持管理の円滑な事業執行につながるものとは判断しております。 ◆6番(高木芳夫君) 河川行政は、国・県・市と三位一体でやっていかないと多分総体的にはできないと思いますので、この辺の連携をしっかりとっていただいて、よろしくお願いします。大雨のニュースを見聞きするにつけ、地元住民は、河川沿岸に住んでいる住民ですね、不安な気持ちでおりまして、極めて真剣であるということを認識しておいていただきたいと思います。 次に、道路の項でもお聞きしましたが、河川愛護団体認定になったとき、自治体から団体への助成はあるのか。これを聞くのは、要は、先ほども答弁がありましたが、道具とか何かの支給はあるんだけれども、草刈り機のガソリン代も出ないというような話もあるんですね。その辺のことも踏まえて答弁いただけますか。 ◎土木部長(松本隆君) 市が管理する河川におきましては、先ほど御答弁申し上げました道路の維持管理の場合と同様に、市民の自主的な美化活動を支援するものとして、クリンピー応援隊の制度が設けられております。また、県におきましても、うつくしまの川・サポート制度があり、河川美化清掃等のボランティア活動に対し、清掃用具の貸与や保険の加入等の支援を行っているところであります。 今議員おただしの燃料代の支給などについても、なかなか市管理河川の部分につきましては現在も実施していない現状でありますが、身近な河川ということで、引き続きボランティアでお願いしたいということを切にお願いしたいと思っております。 ◆6番(高木芳夫君) お願いしますと言ってもですね、少しこれだけはというところがあってもいいのではなかろうかなと思います。その辺も踏まえて、今後の対応をよろしくお願いしたいと思います。 次に、大きな項目の3番目、農業用のため池の維持管理について伺います。 農水省は、農業政策として、農業施設の新設はできるだけ抑えて、既存の施設のリニューアルを重点に延命化を図る政策にすると聞いております。その中には、農業用のため池の見直しを視野に入れてきております。既存のため池を効率的に使っていこうという理解だと思っております。 そこで、何点か確認の意味で伺いますが、1点目として、本市がとらえているため池の総数は幾つなのか。これは前の大平議員のときにも答弁がありましたけども、流れがありますのでお答えいただけますか。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 市におきましては、2名以上の利水がある農業用ため池につきまして管理台帳を整備し、現況を把握しておりますが、その数は382施設となっております。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、2点目として、農業用のため池は主としてどこが管理しているのか伺います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) ため池に係ります水管理や除草等の日常的な維持管理、いわゆる機能管理でありますが、これは水田を耕作される受益者の方々が中心となって行っており、一方、所有権に係る財産管理や改修等を含みます防災対策などにつきましては、市が行っているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) よくわかりました。有効に機能しているため池もあれば、土砂がたまったり漏水があったりして、その機能を失っているため池もあると思われます。元来、ため池は、先人が水不足解消のため、あるいは防火用水として利用する、いわば、現在に移してみれば安全・安心のための知恵の結晶とも言えるのではないかと思っております。 子供のころ、釣りざおを担いでフナ釣りに行った記憶もよみがえります。そんなため池の復活を信じている者として、3点目として、漏水があったり土砂で埋まったとき、市として対応する基準はどうなっているのか伺います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農業用ため池施設の適切な維持には、やはり日常の点検・管理のほか、年に一度、堆積した土砂を吐き出すなど、受益者の方々が中心となった活動が不可欠でありますが、不測の事態によりため池の機能に支障が生じた場合は、その機能障害の程度を市が現地調査により見きわめて、ため池の改修の緊急性を判断することとしております。 なお、緊急性の高いものにつきましては、適時、市のため池の整備事業の年次計画にこれを組み入れながら対応しているところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、4点目として、廃止を含め、ため池について今後の市の対応はどうするのかお示しください。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農業用ため池の廃止には、将来にわたり農業用水としての利水の可能性がないという状況が前提となりますので、地域の関係者との十分な合意形成が必要となってまいります。また、防火用水としての利用や廃止後の財産管理などの面につきまして、引き続き地域の皆様方の理解が不可欠でもありますので、今後におきましても、市は地域との連携を密に図ってまいりたいと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、この項の最後ですが、5点目として、ため池の維持管理について、国・県の補助はあるのかお伺いします。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) ため池につきましては、通常の維持管理は先ほど答弁しているとおりでございますが、何らかの支障が生じたような場合、あるいは災害などに対応するような場合による改修、こういう面につきまして申し上げますと、一定の要件を満たす改修に係る事業につきましては、国・県の補助事業がございます。具体的には、県営事業としての農地防災事業、あるいは、福島県土地改良事業団体連合会事業によります土地改良施設維持管理適正化事業などの補助がございます。 ◆6番(高木芳夫君) 構築物は、常に人の手を入れないと、朽ち果ててしまいます。環境保全という見地からも、維持管理をしていくことは大変重要であります。しかし、受益者負担あるいは環境美化の名のもとに住民にお願いするのは、この少子・高齢化の時代にだんだんとそぐわなくなってきたことも事実であります。住民と行政の役割分担を抜本的に見直す時期になったのかなと私は強く感じております。そういう立場から、行政の維持管理を少しずつでもいいからふやしていただくことをお願いして、次の質問に移ります。 大きな項目の4番目は、支所長の権限強化について質問いたします。 渡辺市長の市政執行の考え方の中に、支所長の権限強化を図っていくという要素があるものと思います。その件について改めて確認しておきたくて質問としました。なぜなら、総合支所以外に住む住民の期待度は大きいものがあるからです。私も、地域の活性化あるいは地域が元気になる大きな要素になるものと確信しておりまして、ぜひそうなってほしいと思うからであります。 最初の質問は、その件に関し、現在当局で検討しているのか、あるいは、これまでどのように取り組まれてきたのか伺います。 ◎総務部長(木村清君) 支所長の権限につきましては、市民サービスの迅速かつ効率的な提供を図るため、本年4月に、有害鳥獣捕獲許可や、地域の自発的な不法投棄防止活動に対して各種資材の交付を行う不法投棄防止地域活動支援事業に係る決定権限を、本庁所管課長から支所長へ移譲を行ったところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) 2点目として、そのスケジュールについてとお聞きするつもりでおりましたが、ただいまの答弁で、4月に見直しを行ったとのことであります。 それでは、今後の見直しについてはどのように考えているのか伺います。 ◎総務部長(木村清君) 支所長の権限につきましては、本市のまちづくりの指針となります新・市総合計画次期基本計画との整合も図りながら、市民の皆様の利便性の向上や事務執行の効率性などの観点から、適時適切に見直してまいりたいと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) 3点目として、それはすべての支所及び市民サービスセンターを対象として考えていいのか伺っておきます。 ◎総務部長(木村清君) 支所及び市民サービスセンターは、地域住民に密着したサービスを提供しており、各地域の課題や市民ニーズを的確にとらえながら行政サービスを提供することが重要でありますことから、支所長の権限のあり方を見直す際には、支所・市民サービスセンター全般を対象にしたいと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) よろしくお願いいたします。 具体的な支所長の権限強化とは何なのかと考えていました。最もわかりやすいのは、支所長の決裁金額がふえるかということであります。 そこで、改めて聞きます。4点目として、現状と比べ支所長決裁額がふえるのか、あるいは、決裁額のあり方を初め、どのようにして支所長の権限強化を図っていくお考えなのかお示しください。 ◎総務部長(木村清君) 支所長の決裁額につきましては、市民サービスの向上や事務執行の効率性の視点などを踏まえながら、支所が担う役割に応じて決めることを基本としております。決裁額のほかにも、地域の実情に精通した支所の権限拡充を通して、市民サービスの向上や市民協働の推進などの効果が期待できるものと考えております。本年4月に実施した具体的な例で申し上げますと、有害鳥獣捕獲許可の権限移譲の場合は、許可までの時間が短縮されることにより、早い段階で被害を食い止めるという効果が見込まれ、また、不法投棄防止対策に係る資材交付決定権の移譲の場合には、手続きの迅速化というサービス向上に加え、市民協働の推進が図られるという効果が期待できるものであります。 したがいまして、支所長の権限強化につきましては、決裁額も含め、さまざまな観点から総合的に検討すべきものと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) 先ほどの答弁にもありましたように、新・市総合計画次期基本計画とも連動するのであろうと思いますが、市民にとりまして、最寄りの支所で大方のことが解決できれば、それにこしたことはありません。支所長を初めとする支所の職員のさらなるやる気にもつながるものと思います。特に、市中心地以外の地域に住む人たちには、そのことが気持ち的にも元気の旗印になるものと思われますので、常に市民の立場に立っていただいて改善案をつくっていただくことをお願いして、次の質問に移ります。 大きな項目の5番目、イノシシ被害の防止について、今議会では大平議員・岩井議員も触れました。イノシシの被害は市内各地で火の手が上がっているということであろうと、改めて認識しております。この件に関しては、私自身も三たび取り上げさせていただきます。 一次産業の活性化こそが内需を誘発し、日本の国力を上げる最大の産業であると確信しております。外国の思惑にさらされない食糧生産の場を守ることが国の進路を誤らない方法だと信じているから、何とかしないといけないと思います。 漁業についていえば、大型クラゲによる漁業被害については、漁業情報サービスセンターの情報によりますと、ことしの発生数は今のところ少なく、日本海を漂う個体数もほとんど見つかっていないようですので、ことしのクラゲの被害は大丈夫かなと思っております。しかし、海水温が高いため、御存じのようにサンマの漁場は遠く、大型船が出漁しても不漁で、我々の口にはいまだ入っておりません。シラス漁は豊漁でありますが、この暑さで鮮度が保てず、漁価が下がっています。さらに、9月1日からは、2か月の休漁期間を経て、おいしいいわきの魚を担う沖合底びき網漁が解禁となりました。果たしてことしの漁はどうなのか、漁価が安定するのか、非常に気になるところであります。 一方、イノシシは相変わらず出没し、農家をいじめ抜いております。やるせない、何とかしてくれと再三再四訴えられております。生活環境部には、小久地区のイノシシの陳情に対し真摯に対応していただきまして、ありがとうございました。 そういうことを踏まえながら、1点目として、駆除方法とその手続きについて、確認の意味で何点かお伺いします。 1つ目として、現在の駆除方法はどうなっているのか、昨年までのやり方を発展的に解消して新たな駆除方法を組み立てたと聞きますが、その点についてお答えください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 現在の駆除方法は、昨年度の県の鳥獣保護事業計画の見直しを踏まえたものであり、1つには、被害を受けられた方個人が許可を得てわなによる駆除を行うものであり、もう1つは、市が被害状況を踏まえた上であらかじめ計画を立て、各猟友会に委託し、個体数の削減を目指す予察制度でございます。 ◆6番(高木芳夫君) わなの個人許可の場合、その手続きはどうすればいいのか、もう1回確認の意味ではっきりとお答えいただけますか。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 許可を受けようとする方は、まず、平地区の方は本庁の環境企画課に、それ以外の方は最寄りの支所に申請していただくこととなります。その際、準備していただくものでありますが、写真などの被害状況を示すもの、印鑑、狩猟免状の写し、被害区域及び捕獲等実施区域を示す図面、損害賠償保険証書等の写しであり、支所等で申請書等に必要事項を記入していただくようになりますが、申請をいただいてから、そのいただいた日の翌日あるいは翌々日には、被害状況を確認の上、許可についての決定をすることとしております。 また、わなの免許をお持ちでない場合には、市が資格を有する猟友会の方を紹介するとか、いろいろ対応させていただきますので、お気軽に御相談いただければと思います。 ◆6番(高木芳夫君) それは、予察というか、銃器によることも含めてと考えていてよろしいのでしょうか、お答えください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) ただいま、個人許可の場合の手続きについて申し上げました。個人の場合には、わなによることを基本とさせていただいております。 銃器等につきましては、とめさし、いわゆるわなにかかったイノシシに最終的なとどめを刺すためのみということに、安全性の面等を配慮してそのようにさせていただいております。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、最初の質問の繰り返しになるかとも思いますが、駆除方法が昨年までと変わった点を改めて簡潔にお答えください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 昨年度までとの変更点でございますが、県の事業計画の見直しを受け、特にイノシシによる被害が拡大していることを踏まえまして、よりよい捕獲体制の構築を目指し、制度の見直しを図ったところであります。まず、1点目、個人許可でありますが、被害発生後、速やかに対応するため、捕獲許可を新たに個人の方にも認めることといたしました。県の見直し時期とあわせ、昨年11月から実施いたしましたところであり、これまで、許可件数は98件、79頭の捕獲実績が寄せられております。次に、2点目は、市の捕獲体制の見直しであります。従来の被害が生じてからの対応ではなくて、あらかじめ被害状況を踏まえた上で計画を立て、個体数削減を目指す予察制度の導入であり、今年度から実施し、7月から、四倉を初め、各地区で順次取り組んでいるところでございます。 ◆6番(高木芳夫君) その効果がはっきりあらわれることを期待したいと思います。 次に、ややもすると、担当部のその改善策が市民に正確に伝わっていない、そこは許されるとしても、予算がないために昨年よりグレードがダウンしたと誤って伝わっているようにも時々聞きます。担当部としては心外だと思います。悔しいでしょう。正確に知ってもらうために、市民への周知をどのようにするのか改めてお示しください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 新たな捕獲制度の周知に向けましては、まず、個人への許可の拡充については、制度を決めたと同時に記者会見を行い、市ホームページへの登載、広報いわきによる周知を図ったところでございます。個人については、割と浸透しつつあるのかなとは受けとめております。 次に、市が取り組む予察制度でございますが、猟友会や農協の方々といろいろと協議を重ねさせていただきました。そうして骨格を固めまして、ことしの2月から3月にかけての各地区の定例区長会において説明を行うなど、周知を図ってまいりましたが、従来の駆除隊からの組織変更の面であるとか銃器使用の面について、説明不足の面があったことがうかがわれました。また、予算についても、大きな枠としては変わりませんが、できるだけこの駆除を委託する猟友会に手厚く配分できるように措置したところでありますが、そういったことを含めまして、まだまだ行き渡らない点があるということから、改めて支所長会議あるいは各農協等の会議等を利用させていただきながらの周知を図りつつある段階でございます。 ◆6番(高木芳夫君) 市の政策がきちんと正確に伝わらないと、いろんな憶測を呼んで大変なことになってしまうと思います。そういうこともままあると思いますので、できるだけ現地に行って御説明いただくようによろしくお願いしたいと思います。 次に、2点目ですが、鳥獣被害防止特別措置法について、その運用を改めてお聞きします。 政権がかわって、事業仕分けの対象になったと聞いております。また、補助事業には、ソフト事業とハード事業があると聞いております。 最初に、ソフト事業について何点かお聞きします。 まず、1つ目として、国で示されたソフト事業は本市にとって有用であるのか、本市としてどう考えているのか伺っておきます。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 特措法によります鳥獣被害防止総合対策交付金を活用したソフト事業への取り組みでありますが、箱わな等の捕獲機材の導入による個体数調整などの被害防止対策を総合的に実施できますことから、市にとりまして有用であると認識しております。 ◆6番(高木芳夫君) そのことを踏まえまして、次にですが、ソフト事業における本年度の補助金は幾らになっているのでしょうか伺います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 本年度の鳥獣被害防止総合対策交付金は、ソフト事業の限度額でございます200万円で実は事業計画を県へ申請したところでありますが、国の予算が縮減されたことなどから、本市への交付金額は55万7,000円となっております。 ◆6番(高木芳夫君) ほぼ4分の1に減ったようですね。事業計画をもちょっと損ねてしまうような減り方かなと思います。現地のことをわかっていればこんなことはとてもできないのではないかなと思うのですが、そのことを申し上げまして、次の質問です。 ソフト事業において、この交付金ですか、来年度以降もあるのか伺っておきます。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) この交付金の事業期間は、交付金実施要綱によりますと平成22年度までとされております。そういった関係で、来年度以降の事業細目につきましては国は明らかにしておりませんので、市といたしましては、今後の国の動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、順番があちこちになりましたけれども、どんな事業がソフト事業の補助金の対象になっているのかお示しください。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) ソフト事業の交付金の対象でありますが、狩猟免許講習会への参加に対する支援を初め、箱わな等の捕獲機材の導入、捕獲技術・被害防除研修会の開催などとなっております。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、ハード事業についてお聞きしますが、私が知り得た情報の中で、先日、ヨーロッパ、多分ドイツであったろうと思うんですが、ニュースでイノシシがふえたことを取り上げておりました。猟をする人がいなくなったので個体数が非常にふえ、森林被害が発生しているとのことでありました。中通りのあるゴルフ場では、今のところイノシシの被害発生はないのですが、シカとクマの発生があるとのことでありました。宮城では、イノシシの発生は今のところはない、猿はいるようです。地域によって大分違うようですが、イノシシ以外の害獣の被害はあるようでございます。 さて、ハード事業については、使いにくいという話を聞きます。どうすれば使えるようになるのか。せっかく国でつくってもらった法律なのですから、使いにくければ使えるように変えてもらうという観点で、以下質問します。 ハード事業の対象事業は何ですか。お示しください。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) ハード事業の対象でありますが、メニュー上、侵入防止さくなどの被害防止施設の整備でありますとか、捕獲鳥獣を地域資源として活用するための処理・加工施設等の整備でございます。 ◆6番(高木芳夫君) 現在、ハード事業を利用するに当たっての問題点は何であるのか、本市はどうとらえているのかお示しください。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 特措法による交付金事業のハード事業は、定額補助制度でありますソフト事業とは異なりまして、補助率が2分の1以内であること、そして、その結果、事業実施主体の負担が伴いますことなどが、どうも利用が進まないという主な理由の1つであるものかなととらえております。 ◆6番(高木芳夫君) それでは、本市としては、どうすればこのハード事業が利用されるようになるのか、あるいは、どうすればもっと利用しやすくなると考えておられるのか伺います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) この現行制度のもとで、交付金事業の実施計画に明確にハード事業を位置づけることがまず第1点、そして、ただいまも申し上げましたが、ハード事業の補助率、この辺の対象の範囲の改善の中から事業実施主体の負担分が軽減される、このような状況が利用しやすい環境をもたらすのではないかと考えております。 ◆6番(高木芳夫君) ちょっと視点を変えて、このハード事業の文言の中には、農林関係者に限っていると聞いておりますけれども、それ以外の者がハード事業を利用する手だてはないのかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 特措法によりますと、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策を総合的かつ効果的に推進する、これが法の目的とされておりますことから、同法によります被害防止策の対象とは、この農林水産業以外のケースはならないものと理解してございます。 おただしの、それ以外の方々の被害対策は大変難しい部分がございますが、別途、この特別措置法以外に、例えば、中山間地域の直接支払制度などで、いわき市におきましても各地域の取り組みの中でハードの対応をされている地域もございますし、市の単独の補助制度もございます。しかし、農林水産業以外の方という限定が加わりますと、なかなか守備範囲の問題がございますので、使いにくいといいますか、難しい課題が横たわっていると、このように理解してございます。 ◆6番(高木芳夫君) 次に、これも関係者によく伝わっていないのかなと思っておりまして、確認の意味で聞きますが、電気さくについて、1反歩当たり10万円ほど材料費がかかると言われております。この電気さく設置に対する補助はあるのか。市単独、あるいは交付金も使いながら、あるのかお伺いいたしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 特措法による交付金事業というハードの中に、お話のありました電気さく等のメニューはございますが、当市におきましては、現在採用してはございません。 なお、本市独自の鳥獣被害対策によりまして、農業者みずからが電気さく等を設置される際には、一定の採択要件がございますが、10万円を補助限度といたしまして、資材購入費の2分の1以内のものを予算の範囲内で現在補助してございます。 ◆6番(高木芳夫君) いろいろと今御答弁いただきましたけれども、このイノシシの害は、激甚災害ではないのかなと、そういう様相をはらんでいるのではないのかなと思います。ある意味では、自衛隊でも引っぱり出してもらって、鉄砲で撃ってもらうと、こういうことも必要な時期になってきたのかなというように思います。 そして、ことしの米作は、この暑さと水不足で一等米が二等米になってしまいましたという声があります。収入が減って赤字になってしまうと嘆く農家の方が多くなってきております。そこに再びイノシシが穂を食い荒らすので、彼らの神経を逆なでしているんです。先ほど取り上げました草刈りにも労力を使って、疲れ切った方々がことしは多くなってきております。みんな昨年以上に深刻です。 私も機会をとらえて働きかけをしたいと思いますが、当局におかれても、地元自治体として、この窮状を強く強く国・県に訴えていただきたいと思います。このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(矢吹貢一君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。               午前11時01分 休憩---------------------------------------               午前11時10分 再開 △坂本稔君質問 ○議長(矢吹貢一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。9番坂本稔君。          〔9番坂本 稔君第二演壇に登壇〕 ◆9番(坂本稔君) (拍手)9番いわき市議会遊政会の坂本稔でございます。通告順に従い、一般質問を行います。 私は、毎年、数社の企業に呼んでいただきまして、経営計画発表会に招待していただいています。その際、社員はもちろん、取引銀行、また、税理士等の前で、社長がその年の経営計画を発表します。当然ですけれども、中小企業はもちろん、今、一部上場企業でも3年・5年後の中期計画ビジョンを発表することもございますが、ほとんどは、どうやったらことし1年乗り切れるかというような危機感を持って、社長みずからその経営計画を発表し、また、私も拝見させていただき、その際、やはり本気か本気でないかということは、当然、文章から伝わってまいります。私自身、そういったものを読ませていただく際は、企業の本気度もそうなんですけれども、大事なことは、玉虫色のいいことばかり書かないで、本来は、これから危機的な状況の中で経営を行っていく際は必ず障害も問題もあると、それを共通の認識で社員ともども乗り切ろうということが大事だと、最近つくづく思います。 これを市政に置きかえて言えば、後ほど触れます中期ビジョンも、やはり、できないことはできない、お金がないならお金がないなりにお互い知恵を絞って、また、市民の方の協力も得ながら、具体的に、これから5年・10年先、同じく過ごすのであれば、少しでもよいいわき、少しでもよい地域のために知恵を絞るということが、一番大事ではないかと思います。そういった考えに基づきまして、通告順に従って質問を行ってまいります。 まず、1番目、新・いわき市総合計画次期基本計画のたたき台についてですけれども、基本計画の策定に当たっては、今までの実績の検証、また、数字に裏づけされた実現可能な計画を立案することというのは当然なんですが、そのことからすると、まず、平成13年から昨年、平成21年までの計画に対する結果について、執行部はどのようにお考えかお伺いいたします。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 現行基本計画の成果指標の総括についてでございますが、現行基本計画に設定してあります45の成果指標につきましては、市街化区域内の未利用地率や文化施設利用者数など18の指標で目標を達成できる見込みでございます。 また、現行基本計画におきましては、美しい環境を守り、育てあう等の6つの政策の柱ごとに成果指標を設定しており、必ずしも政策・施策の取り組みの評価ができるような適切な成果指標が設定されていない状況であったということで、それぞれの政策・施策の目的を明確化し、市民の皆様にもわかりやすい計画とするとともに、適切な成果指標の数をふやして設定することの必要性などを認識したところでございます。 ◆9番(坂本稔君) お答えのとおり、昨年にはそういった結果等も発表されましたが、実は、本来、事前の聞き取りの際に、ここにインデックスをずらっと並べておいて、それぞれの項目の重要と思われる内容は、何でこのような数字になったのか、その過程もお聞きしたい、また、検証したいと思って臨んだのですが、いわゆる今部長がおっしゃられるように、一部というよりは大体そのような指標であって目標数値ではないというようなお答えがあって、私は思い切り首が折れた感じがして、この用意してきたものは何だったのだろうかとがっかりした思いがあります。ただ、今お答えいただいたように、これ以降10年間は、数値にこだわった検証をして、また、計画を立てていくということで、じっくりこれからも見守っていきたいと思っておりますので、そういう目標意識にこだわった計画をぜひ立案されるように、たたき台の中から十分検証していただきたいと思います。 次の質問でありますけれども、これは、根本議員も渡辺議員も質問の中で取り上げました人口減少についてでございます。 非常に重要な案件なので、皆様、当然話題に上るということでありましょうけれども、その中で、特に、このふるさと・いわき21プランの中に、最初の基本項目の1番目で、人口減少に触れております。これは、古い資料だと言われればそうかもしれない。これは、ほんの10年前ということで、10年前のプランの中の冒頭で記載した人口減少の予測では、35万3,000人から、いくら下回っても34万9,000人とありました。下限で7,000人、上限でも1万人以上の誤差が生じました。これはどういうことなのかお答え願いますでしょうか。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 本市の人口減少が、現行基本計画における人口推計を上回った要因といたしましては、1つには、出生者数が予想を上回る勢いで減少したことが挙げられます。その推移を申し上げますと、現行基本計画の人口推計の基礎となりました平成12年には3,442人でございました出生数が、平成21年には2,776人にまで減少いたしております。これが死亡者数の増加と相まって、本市人口のいわゆる自然動態がマイナスとなったものであります。 また、2つ目の要因といたしましては、転出者数が転入者数を上回る社会減が、平成18年は1,670人、平成19年は1,356人、平成20年は1,362人、平成21年は1,564人と推移するなど、本市人口の社会動態におきましても、これまでと比較しまして大きくマイナスとなっていることでございます。 これらの要因が相まって、本市の人口が現行基本計画の人口推計を上回る減少となったものと考えております。 ◆9番(坂本稔君) これは物すごく重要なことなんですね。ほんの10年前ですから。 仮にもし1万人違ってくるとどういう影響が出るか。医療、福祉、学校の統廃合、公共交通、下水道整備計画等インフラ整備も当然ですが、適正な職員数、また、議員定数にもかかわることで、1万人は約3%に相当しますから、職員数でいうと約100人強、議員定数でいうと2名減、こういった数字が自動的にはじき出されるということで、今から6年前に議員定数は2名減ということで一度見直されましたが、6年前のことですから、これがもっとシビアに。と言いますか、10年前には、当然、出生率が下がっているのは当たり前であって、人口の流入・流出も、ここは都市部ではございませんので、都市部に移行していくのは当たり前なんですね。 これが、今後の人口のデータすべてに、例えば、市の基本計画の根底に、この行政経営部の数字がいわゆる反映されてくるんですね。後ほど私が質問させていただく下水道計画も、非常に大きな問題ととらえております。こういった人口の修正、ちょっと話が長くなりますけれども、特に、国土交通省の資料によりますと、今後40年間で、いわゆる2050年までで、人口増減は全国一律ではなく、3大都市は都市内ではマイナス13%、郊外でもマイナス32%、地方圏、これは都市部、例えば郡山など多少集中した都市部でもマイナス22%、郊外ではマイナス42%というように人口は減少すると。ですから、いわき市も、今から40年後、簡単にざっと試算しますと、20万人を切るという数字になります。そうすると、3軒に1軒の家がなくなっているんです。ほんの40年、私は多分もうそのときはいないと思うんですが、この半分の20年後、さらに31万1,000人と試算した10年後でも、後ほど触れますけれども、非常に、まだ私は甘いと思っております。 ですから、どういう試算かということで確かめたらば、国・県とも、こういった手法と、また多少の係数を掛けて試算を出していますと。私も数学は苦手なんですけれども、このくらいの数字を当てはめれば出せるかなと思ったんですけれども、それ以前に、国勢調査のデータをもとにして今まで試算を出しているということで、国勢調査は本年度でしたか。本年度の国勢調査の結果が来年度出るんですね。いわき市の場合ですと、来年度の数字でなくてその前のデータですから、前回の国勢調査に基づいてですから、非常にぶれがあると。ぶれを多少修正するために、1年前から住基ネットの数字等でまた試算し直していますということで、やっとそういうことが起こり始めていると。 ですから、普通に考えても、私にとっては非常に危機感というか、怖い数字だなと認識しておりますので、くれぐれも、さらなる人口の流出等も起こりますし、やはり出生率が上がりますのは、フランスの例を見ましても20年、30年かかるんです。2人までいくのには。ほんの5年・10年では、なかなか2人という数字にはなりませんので、当然、なかなか出生率も上がらないということですので、さらなる人口の減少に関してはシビアに。もうちょっとつけ加えますと、こちらのたたき台の参考指標1の14で、何年後、何年後となっていますけれども、単純に引き算をやってみました。5年ごと、1995年から2000年まではマイナス460人減っている。次は5,646人減っている。次の5年間で1万1,922人減ったと。これが直近のデータですが、この次をどのように予想されているかといいますと、次の5年で1万5,500人。その次の5年、もっとぐっといくかなと思ったら、あまり変わらず1万6,000人。ピーク、いわゆる団塊の世代が15年後迎える平成37年でも、1万8,000人程度の減少しか見込んでいないと。出生率と流出人口、あとはさらに、自然減は、昨日渡辺議員がおっしゃったように、坂道を転げるように減ります。ですから、30万人を切る切らないはともかくとして、平成25年には間違いなく、5年後ですか、まず30万人近くになってしまうということで、もっとシビアにこの人口減少をとらえていただいて、その上で基本計画もできれば策定し直していただきたいと要望いたします。 次の質問に移ります。地区懇談会に基づいた今後のまちづくり計画についてですけれども、各地区で行われた内容に関してはどのような形で盛り込まれたのか御質問申し上げます。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 次期基本計画策定に係る地区懇談会につきましては、本市が抱える課題や今後推進すべき施策等に対する市民の皆様の意見を反映させるために、去る7月に市内13地区において開催したものでございます。地区懇談会におきましては、今後重点的に取り組むべき政策分野といたしまして、雇用の確保や企業誘致の推進などの地域経済の振興にかかわるもの、子育て支援の推進や学校のあり方を含めた教育の充実などの少子化対策にかかわるもの、地域医療の充実や防災体制の充実などの安全で安心なまちづくりにかかわるものなどに関する意見が多く出されました。 次期基本計画の策定に当たりましては、地域医療体制の充実などを図る安全で安心な社会の形成や、子育て支援の充実などを図る次世代を担う子供の育成を重点施策に設定するほか、多様な雇用機会の創出を図る安定した雇用の確保を新たな政策として位置づけるなど、地区懇談会における意見を可能な限り反映させてまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) 先ほど高木議員からも、支所長の権限、財源移譲のお話がございました。まさにそのとおりだと思います。正直言いまして、これほど広域で、それぞれのまちで事情が違ういわき市で、一律な基本計画を記載しようとすること自体、やはりおかしいと思うんですね。ですから、具体的に、さらにこの大もとの基本計画自体にも、まちや地区の事情がそれぞれに違うのでそれに合わせた独自のまちづくりとか、具体的な地区のお考えに基づいた、また、さらに支所長の権限・財源も、具体的に何をもって今後これから5年・10年どんどん移譲していくのかという流れも、やはり私は記載すべきだと思いますが、この点に関しては、部長、どうお考えでしょうか。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 総合計画は、全市的な観点で必要な政策等を位置づけるものだと考えております。次期基本計画においても、同様の観点で取りまとめてまいりたいと考えておりますが、地区別の特性を生かした個別的な事項等につきましては、現時点において、都市マスタープランに基づく地区まちづくり計画や地区住民の皆様が主体的に策定する地域づくり構想などにゆだねまして、行政と市民の皆様との協働作業・役割分担によりまして、さまざまな取り組みを推進しておりますが、そのような形で進めてまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) まだちょっと歯切れが悪いんですけれども、私は、各町々に特徴があることがいわき市の特徴だと思っているんですね。それを明確にすることは、それぞれのまちづくりとか、すべての生活にかかわることだと思いますので、私は、このたたき台に具体的に盛り込むのは、非常に現実に即した計画ではないかと考えます。それに関してはお答えはもう十分にいただいたということで、次のたたき台の中身、計画に関してまた改めて御質問申し上げたいと思います。 この項目に関して、最後の質問に移ります。 それぞれの計画や目標を達成するためには、やはりプロジェクト、つまり、一番は係長クラスの方々が責任を持って計画遂行、中身に当たるということは今現在でも大事ですが、今後も大事だと私は思っております。ただ、特殊な業種、技術職は除いて、今の職員の異動の年数が平均3.3年と、ほぼ3年です。そういう感覚を私も、ほんの2年ですが、この2年の間で相当、何と言うか、ここから先もうちょっと課長と詰めて話したかったなと思ったらば今度アリオスに行ってしまったりだとか、結構ところどころで肩透かしを作戦どおり食らってしまっているんですけれども、やはり今後、この人事のあり方については、こういった基本計画を本気でやろうとするならば、人事の面からもこの年数の面を見直していくというのが非常に大事なことだと思うんですね。お金や入札にかかわる、利権にかかわる職務は別ですけれども、その他、やはり、よく総合職・スペシャリストの話が出てきますが、スペシャリストを育てるには、我々民間ですと8年から10年、優秀な人材でもそのくらいかかるんです、専門職は。ですから、最低でも5年、できれば8年と。一芸八年と昔はよく言われましたけれども、このスペシャリストは、やはり政策に当たれば責任も持ちますし、能力も高くなります。1人で2倍くらいの仕事は平気でします。 そういう、いわゆる人材育成の面からも、仕事に精通する、効率が上がる面からも、責任の持てるような、今の課や係で全体で責任をとっているようなぼやけた形ではなくて、もっと個人の責任がある職務でそういった物事に当たっていくというのは大事だと思っているんですね。そういったことに関してはどのようにお考えでしょうか。 ◎総務部長(木村清君) 職員の人事につきましては、現下の厳しい行財政環境のもと、複雑・多様化する市民ニーズや行政課題に的確に対応するため、適材適所の人事配置を基本に、ゼネラリストやスペシャリストを養成する複線型人事管理などにも取り組んできたところでございます。 今後におきましても、新・市総合計画に掲げる望ましいいわき市の実現に向けまして、次期基本計画を着実に推進するため、各種事務事業の性質や進捗状況等を踏まえた組織の意向、さらには、庁内公募・自己申告を通じた職員の希望等、これが個々人の意向を十分踏まえた制度となっておりますけれども、こういったものを勘案しながら、引き続き、政策立案や企画調整能力にもすぐれ、多くの経験と高い知識を有するスペシャリストの養成にも意を用いるなど、適切な人事配置や人材育成等に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆9番(坂本稔君) 私がたまに勉強をさせてもらいに行かせていただいている杉並区は、この間、行政ランクナンバーワンにもなったところですが、そこは係長クラスは立候補制なんですね。仕事は、当然、倍になります。多少の手当はつきます。ただし、責任を持って最後まで職務を遂行する。だれがどういったことをやったと、だれがこれをつくったということが明確で、そのプロジェクトが終わるまでは異動はありません。こういう考え方は、民間だと当たり前なんですね。ですから、仕事をなし遂げよう、計画をやり遂げようとしたならば、人事の面でいじらない限り、ちょっと本気でやる気はないんではないかなと思わざるを得ませんので、ぜひ大胆なお考えを、そういった物事に切り込んでいただくことをぜひ御要望いたします。 次の質問に移ります。大きな質問の2番、前回のチリ地震に対しては、6月定例会では赤津議員も、また、阿部秀文議員もせんだって質問されましたが、今後の教訓として、実際に機能を果たすために行政の役割を明確にしていかなければならないことはもっとあると思うんですね。余裕があった今回でさえも、市民の皆さんからさまざまな指摘がございました。 まず、1点目に、地区対策本部の役割について具体的にお伺いします。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 前回の避難勧告が出されてからの地区対策本部の役割といたしましては、市地域防災計画及び市災害対策本部要綱に定められておりまして、主なものといたしましては、1つに避難勧告及び指示の伝達に関すること、2つに地区の避難所の開設及び運営に関すること、3つに避難所開設状況の総括及び集計に関することなどが挙げられております。 ◆9番(坂本稔君) 私も、マニュアル等をいただいて、中身も読ませていただきました。役割等は明記はされておりますが、正直言いまして、前回のチリ地震の津波に対する避難勧告の際にも、さまざまな声が行政に寄せられております。 こちらに、消防団第7支団第2分団の方から資料をいただきまして、主なところで、特に、消防団で広報して回るのにも、住民の方に危機意識がなくて、実際に避難したのは本当に少なかったと。また、避難先でもバレーボールの大会をやっている団体もあったというようなことで、とにかく有事の際は事前にいかに周知・啓発できるかということを市民の方にぜひ詳しく伝えていただきたいということや、やはり区ごとにも場所があってもいいのではないかということや、避難に際しての受け入れ担当者が、当時たまたま日曜日ということもありましたが、逆に言うと日曜日だから体育館を使えたというような。例えば、次の日が高校では卒業式でありましたので、たまたま先生方が準備でいらしたということで四倉高校に入れた。けれども、いや寒かったと。あと、例えば久之浜地区の消防団第7支団第4分団ですと、高木議員が先頭になってさまざまな活動をされたと聞き及んでいますが、その際にも、久之浜中学校に行った際、体育館が工事中だったので、これはたまたまですけれども教室にということでした。でも、ああいった状況ですと、体育館はいくらジェットのストーブを使っても温まらないんですね。 そういった対応だとか、具体的にこうしてくれああしてくれ、食事のことだとかということも、本当になかなか、あの余裕があった段階でも各地区非常にまちまちだったということで、次の質問は、このメインである地区の本部長・副本部長に、当然、消防・警察の方がなるわけなんですが、行政・消防・警察、特に、行政嘱託員の皆様、地区自衛団の方々との連携はどのようになっているのかお答えください。
    行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 平成22年2月のチリ中部沖地震による津波警報発表の際は、消防署及び消防団車両による巡回広報を行いまして、沿岸部の各支所より、対象地区の行政嘱託員や区長等を通じまして、避難勧告の伝達を行ったところでございます。 市といたしましては、今後におきましても、引き続き地区の協力は不可欠でございますことから、行政嘱託員や区長はもとより、消防や警察等関係機関との連携を図り、市民の皆様の安全に努めてまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) 久之浜地区もさることながら、四倉地区においても、地区の皆様、行政嘱託員の方々が非常に機動力がおありになるので、さまざまな御協力をいただいて、今回活動していただきました。 ただ、それでも非常に、実際に地区対策本部が支所にあって、なおかつ皆さん5名から6名の方々が出ておられても、出先のそういう避難場所だとかそういった避難状況に関しては、なかなか把握し切れていなかった。これでは地元で動かなくてはならないということになりまして、四倉町において、近々、この連携をとるために防災対策会議を開く予定であると聞き及んでおります。やはり、この実務者レベルでどのように地区で話し合うかというのが大事なことだと思うんですね。それが、本来は行政主導であるべきでありますが、地区でそれぞれで活動することも大事なことなので、実際、現実に、今回の各自治体の対応もまちまちでした。 大津波警報が出た岩手県・宮城県をいろいろ調査していただいたんですけれども、宮城県・岩手県の中でも、避難した結果は、1けた台、つまり七、八%から、上は80%までと、非常に幅があるんですね。中身を若干見て、その高い数字の2件だけを御紹介しますと、岩手県の下閉伊郡田野畑村というところは、避難指示が9時35分に出されて、4地区238世帯、これは約83%の方が避難されたということです。地区によっては、同じ下閉伊郡でも10%台から40%台です。ただ、傾向は、小さいほうが、やはり村単位のほうが非常に避難率が高かったと。町になると10%、20%になってしまうという傾向があったと。 ただ、なぜこんなに高かったのかというと、やはり自主防災組織と、あとは、昨年度からですかね、小・中学校が総合防災訓練に参加したと。この間、地震に対する福島県いわき地方総合防災訓練がいわき市でございましたが、あれに近隣の小・中学校が参加したというようなことを実際にやったので、意識も高かったと。また、特に大事なのは、要支援者、介護を要する方々、あとは御年配の方々に対するケアが非常に細やかだったと。これは、直接電話をするのもそうなんですけれども、なかなからちが明かない場合はケアマネージャーが実際に訪問して、避難していただいたというような、非常にきめの細やかなケアがされたということです。 さらにもう1件、近くの双葉郡大熊町熊川地区でも、これは非常に少ないんですが、57%の避難という非常に高い数字で、これは理由をお聞きしましたら、ハザードマップです。これはいわき市にもありますが、本市ですと、お聞きしましたら、久之浜地区で、役員の方々と地区行政嘱託員の方々に、できましたということで2回ほど何かレクチャーがあったんですが、具体的には、直接市民、我々のところにはそれから先どうかというと、非常に不明瞭だったんですね。ただ、昨年・おととしと、そのハザードマップを直接住民の方々に、この大熊町熊川地区の方々には行ったので、非常に避難する率が高かったということで、やはり啓発・啓蒙が非常に大事だということがよくわかりました。 それぞれ、ケアは地区役員で行うんですけれども、やはりそのために、地区の対策本部の権限が、支所の権限が、もっと早い決断と対策をとれることが、また、住民の方の意思も反映してつくることが大事だということがわかると思います。 次に、その権限についてはどのようにお考えか、地区の対策本部の権限についてどのようにお考えかお答えください。 ◎行政経営部長[兼]危機管理監(大和田正人君) 災害対策本部は臨時的に設置される機関でございまして、その権限は本部長に集約されるものでございますが、本市は広域でございますことから、市地域防災計画及び市災害対策本部要綱により、地区対策本部の事務分掌について、先ほども申しましたとおり定めているところでございます。なお、災害の種類・規模などによりまして、被災の程度もかなり広域なものですから異なります。対象となる地域も、広域な災害、それから限定された地域の災害ということで異なる場合がございますので、その災害に応じて、本部と地区本部とが密に連携して適時・適切に判断・対応していく必要があるものと考えております。 今後も、本部と地区対策本部が連携を密にして、避難住民等の皆様に速やかな対応ができるように努めてまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) 高性能の消防自動車・救急車が配備されました。これは、市民にとって非常に心強いことだと思います。ただ、やはり、消防行政に詳しい大先輩にこの間いろいろとお話をお伺いしたところ、やれることとやれないことは、市もきちんと市民の方の意見を聞く、また、率直に言うべきだと。ここの部分はお願いする、ここの部分は我々がやりますからと。ですから、この先のことに関してはお願いしますと頭を下げるなり協力を得て、一番はやはり、一番の弱者、特に、我々の地区でもお一人で住まわれている御年配の方々をどう避難させるのか、どう救護するのかと。これが、今現在では把握しているかというと、ほとんど地区に任せる、もしくは個人の感覚に任されている状態です。これでは、安心・安全ということをうたっている基本計画にも反することだと私は思います。 ですから、やはり市の一番重要なこととして、各地域がどのような状態かという把握も、各支所単位、また、行政嘱託員の方、民生委員の方々の御協力を得ながら、どうやったらこのケア、もしくは避難勧告に関して地区で動けるかというような体制を整えることのほうが大事なことではないかなということを御要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。 次の質問は、四倉海水浴場の維持管理についてでございます。 本年度、四倉海水浴場が市のメイン会場になりまして、市長にもおいでいただきまして、いい天気に恵まれてですね、また、この夏も天気に恵まれ、多くの海水浴客においでいただきました。 ただ、その陰では、特別ことしは四倉の海水浴場が非常に大変な状態にありまして、陰で地元住民の方々の御努力によって、毎日の海水浴が何とか無事に終わったと。これは何かといいますと、先ほど高木議員のお話の中にもありましたけれども、今現在、夏井川の河口は、四倉の新舞子河口が横川の河口にあります。その影響だと思います。特に、好間川水系・夏井川水系のすべてのごみが四倉の河口に集まってきて、それが多分ほとんどという。去年は海水浴シーズン中、台風が来て沖で荒れたとき、ワカメとかそういったものが打ち上がったときは、大体3回ぐらいは大がかりに毎年きれいにしていたということだったんですけれども、ことしは毎日のようにヨシの枯れ草を、私も見てきたんですけど、ほとんど99%くらいヨシの枯れ草ばかりなんです。それも、ことし・去年のものだけではなくて、何年ものというようなすさまじく古いものもどんどん打ち上がってきて、その除去作業には膨大な時間を要したということであります。 これは市にも報告が上がっていると思いますが、この辺の内容について、市はどのように認識されているかお伺いします。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 議員おただしのように、ことしの夏、四倉海水浴場においては、主に夏井川水系上流部のほうの枯れ草、あるいは草刈り後の草等を含めたごみが大量に海岸に漂着し、その清掃管理等に地元を含めて大変苦慮したと認識しております。 ◆9番(坂本稔君) 今おっしゃっていただいた内容を詳しく申し上げますと、7月12日から8月18日まで、延べで21日間、毎日、最初は21名・20名・18名、あとは後半でも10名前後の方々、特に、海開き直前の13日は20名の方々においでいただきまして、軽トラック4台、これは毎日ですね、四駆でないとなかなか難しいということなので四駆を出していただいて。農家の方々も、海で使うのは本来嫌がるんですね。でも、これを無理に御協力を行政嘱託員の方々からお願いしていただいて、出していただきました。延べで84台使ったわけですね。これを毎日、多いときは20往復、少なくても五、六往復、このヨシの除去作業に当たったと。 これは、一般処理業者にお聞きしましたら、最低単位が2トントラックで、焼却場に持っていってもらうだけでも大体1万円かかるわけですね。これには、半日かかって除去作業を行った人夫代は入っておりません。単純に考えても、どう少なく見積もっても200万円以上かかるんですね。一部、車両代等・お弁当代等は出ていますが。あとは、そういったものをどのように処理するかも困窮しまして、重機等を使って少し見ばえのいいような処理の仕方を緊急避難的にことしいたしましたが、これは、また来年も同じような現象が、今の四倉の河口の状態ですと起こる可能性が高いと思われます。 ですから、今後も同じような現象が起きた場合、市はどのように対応するのかお伺いします。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 海水浴場の清掃につきましては、基本的には、これまでと同様、市と四倉海水浴場安全対策実行委員会の皆様とが役割を分担し、共同で対応していく必要があるものと考えております。 しかしながら、本年もそうでございましたけれども、御指摘のような大量のごみや流木等が漂着いたしますと、現在の体制ではなかなか対応ができないということも十二分に想定されますことから、海岸管理者である県や、あるいは関係部署と協議を行い、快適な海水浴場を提供できるよう対処してまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) これは、本当にほとんどいわき市の半分くらいの水系のごみを四倉の海水浴場で引き受けているような状態であるのかなと思います。ですから、単純にこの処理の問題だけでなくて、通常の河川の、先ほどからいろいろ出ておられます河川のメンテナンスですね。草刈りと、また、その草刈りの処理等、こういったものを定期的に行う。これは県の管轄とはいえ、費用も県からで、ただ、結局地元の住民の方々にその費用でお願いして、維持管理を委託させていただいて御協力いただいているわけなので、そういったことも含めて、トータルな対応も今後も必要かとは思いますが、でも、商工観光部といたしましては、当然、海水浴場の維持管理は市が主体的な事業、前回の私の質問の中で、主体的な事業は何ですかの中に、この海岸維持管理事業、業務がございますので、これはやはり、とにかく近くなりましたら、ぜひ現場に足を運んでいただきたい。現状を確認していただきたい。 写真も何枚かいただいて、もうすさまじい量を皆さんがどのような作業で除去したかの経過も存じ上げて、また、私も何度か足を運ばせていただいて、その集まったものだとか状況を多少なりとも把握させていただきましたが、やはり現場にぜひ足を運んでいただいて、速やかな来年度の対応に備えていただきたいと思います。 ということで、次の大きな質問にまいります。次の質問は、下水道についてであります。 私の、とにかく議員活動の中でのメインテーマとして挙げております下水道についてでありますが、この中期ビジョンがやっと出てまいって、中期ビジョンの中身を、中期ビジョンは先ほどで言うとたたき台なものですから、これからということになります。どのように企業会計に向けての5年間を突き詰めていくかも、非常に私にとっても大きな課題であります。また、任期はもうあと2年ということになりましたので、この2年間にどのように道筋をつけていただけるか、また、御検討の可能性があるのかを真剣に考える上でも、ぜひ真摯にお答えいただきたいんですけれども、下水道中期ビジョンについて見直しをしていただく中で、特に1つ目、下水道計画区域の見直しについてお聞かせください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 人口減少など来るべき時代を展望し、持続可能な生活排水対策の構築に向けて、今ありましたように、今年度、下水道中期ビジョンを策定することとしております。 このビジョンの具体的なところでありますけれども、いろいろな重要テーマを複合的に整理していくわけでありますが、まず、平成23年度から、整備の重点化・効率化として、経済性比較や地域特性・市民意向等を把握し、集合処理や個別処理が望ましい区域などの検討を行い、また、企業会計の導入に向けて、資産調査・評価を行う中で、平成25年度を目安といたしまして、下水道の試算総額等の経営的な基礎データを把握することとしております。 これらさまざまな成果を踏まえながらでありますけれども、下水道と合併処理浄化槽等との最適な役割分担やその整備手法、公平な費用負担のあり方などを整理し、平成27年度以降に予定している下水道事業計画の見直しに反映させてまいる考えであります。 ◆9番(坂本稔君) 今のお答えにもありましたように、効率のよい中身、また、計画区域等も含めた見直しもこの中には記載してございます。その見直しに関して、せんだって部長とも若干お話をしましたけれども、市の中でプロジェクトチームを組まれて、今これから本格的に専門家の知識も踏まえた上で、見直していく作業、また、資産の見直し等も進めていくというようなお話もございました。ただ、さらに客観性を持たせるために、こういった下水道計画区域の見直しについて、第三者機関と民間等の専門的な知識をお持ちの方に、具体的に見直しの計画に携わっていただくようなお考えがあるかどうかお伺いいたします。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 今、生活排水対策につきましても、いろいろと経営的な視点を強化する必要があるものと考えております。その観点からも取り組みを進めているわけでありますが、まず、その検討の基本といたしましては、将来にこうした新たな仕組みをつないでいかなければなりませんので、職員がまず苦労して、職員の対応を基本としながら計画を進めてまいると考えております。その上で、当然のことながら、それぞれ会計分野、あるいは技術分野、専門の方がおられるわけでございますから、そういった知識・知恵を十分に御教示いただきながら、ただ、基本は、いかにこの市の中に、職員の中にそうしたものを受け継いでいくかということでございますので、その辺を十分に留意しながら対応してまいりたいと考えております。 ◆9番(坂本稔君) おっしゃっていただいたように、市として、スペシャリストとしてそういう専門家を育成する、また、人材交流も今行っておられるようですけれども、そういった水も飲んできていただいて、他都市、全国的な情報も収集していただいた上で早急に見直していただくということは、非常に大事なことであると思います。ぜひそのようにお願いいたします。 次に、以前から私が御質問申し上げております市町村設置型の合併処理浄化槽の検討についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 本市の地域特性からいって、合併処理浄化槽は生活排水対策の有効な手法の1つであるということは、もう共通の認識になっているかと思います。下水道と合併処理浄化槽の役割分担についてこれから整理を行っていくわけでございますが、その中で、合併処理浄化槽の効果的・効率的な普及促進策や適正な維持管理の仕組みづくりなどについて、民間事業者との連携も視野に入れながら、さまざまな角度から検討を進めてまいる考えでございます。 ◆9番(坂本稔君) 私が議員になる以前から、地方行政で最も今大きな課題となる、また、最も大きな予算である、また、公営企業の中で40%の負債を占める、さらに、今までの数字からいいますと、道路公団4社約40兆円、今のJR、昔の旧国鉄37兆円くらいの大きさがあったわけなんですが、おととしの数字でも約33兆円の公営企業としての負債がある。つまり、今まで国が抱えた大きな借金に匹敵する数字にもうなってしまうと、さらにこれからふえる可能性があるということで、国も喫緊の課題としてこれは大きくとらえているんですね。これはやはり、いわき市としても物すごく大きい。ただ、私もまた、なぜこれに力を入れるかと言いますと、やはり何らかの形でコスト面での具体的な、つまり税金の使い道を、具体的な道筋を議員活動の中で少しでもつけたいという強い思いで、強い決意で臨んでおりますので、ぜひ今後とも、そういった市町村型も含めた合併処理浄化槽という非常に効率の高いものが最近できましたので。 くしくもあさってですか、9月10日、下水道の日ですね。これは、今から10年ほど前に、100年ほど前にできた下水道が制定された日を記念してつくられたそうなんですが、100年も前から下水道法はあって、それは、当時、近代国家を目指そうとしたちょんまげを結った人たちがヨーロッパに行って、いわゆる御不浄は全部下のほうに、川のほうに流してしまって、家の中はきれいなんだわいと、これは絶対日本でもつくりたいなと言ったか言わないかはともかく、やはりその当時からの下水道法でございます。ただし、当時は、合併処理浄化槽、つまり、浄化して川に流すなどという感覚はなくつくった法律が徐々に改正されて、ですから、後ほども出てきますが、前回も申し上げましたが、下水道法と浄化槽法、2つの法律がぶつかる点もアンケートの中には出てきます。でも、古い法律が優先するのではないです。現状に合わせてみれば、後にできたほうが私はどちらかというと現実に即した法律体系になっているのではないかと思っておりますので、ぜひその意味でも、そういう相反する項目が、後ほども出てきますが、ぜひ、公平・公正な考えに基づいて、下水道と合併処理浄化槽を御検討いただきたいと思います。 次の質問に移ります。 今後の計画の見直しに当たっては、市民の皆さんの意見が非常に重要であります。今回の市民アンケートは7月28日締め切りで、お聞きするところによりますと、今月の半ばくらいにその集計結果が出ると。私も、その集計結果を踏まえて、また改めて御質問等申し上げるかもしれませんけれども、このアンケートの主な内容について端的にお答えください。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 下水道中期ビジョン策定に当たり、課題等を把握する観点から、今ありましたように市民アンケート調査を実施し、1,000名を超える方から回答をいただいたところであります。 その内容でございますが、下水道に関しましては、整備までの期間、接続などに関する考え方を、また、合併処理浄化槽に関しましては、普及促進の手法に関する考え方をそれぞれ尋ねたところであります。 ◆9番(坂本稔君) 一通り読ませていただきまして、私は、下水道が悪いと言っているのではないんです。とにかく効率のいいものがあるんだから柔軟に取り入れていきましょうということで、公平・公正にアンケートも調査していただけると。ただ、以前よりはといいますか、合併処理浄化槽に関する記述、あとは比較、あとは、既に合併処理浄化槽を設置していて、昔だったら下水道法があるんだから接続する義務がありますからつなぐようにの一辺倒だったものが、判例の変化により徐々に、グレーゾーンに関してはなるべく行政は今手をつけないでくださいと前々回の質問でも申し上げましたが、世の中の流れも変わってきていますので、そのように市民の方に公平・公正なアンケートをとるのは大事なことであります。 ただし、例えば、市町村設置型合併処理浄化槽の設置の場合のコストのメリットに関しては触れられていないですね。これは、個人で、例えば新築の場合ですと下は17万円くらいから27万円、切りかえの場合ですと33万円から54万円とありますけれども、私が前回申し上げましたのは、市町村設置型で設置する場合は5人槽で約10万円弱という費用もあるというような、この市町村設置型に関する記述はあってもよかったのではないかなとも思います。また、さらに、今下水道の料金が大体3,500円前後ですか、2か月分でまとめて徴収されると思うんですけれども、例えばこの表示の仕方ですと、使用料は、個人所有の土地云々ともありますが、月6,000円、これは、単独の浄化槽と比較しても、ほかの市町村設置型の料金を聞いてみますと、大体同じくらいのレベルなんですね。ですから、下水道の3千四、五百円と6,000円と言ったらば、勘違いして高いなと思ってしまう。私は、あまりうがった見方はなるべくしないつもりでいるのですが、このままの文章どおり額面どおり読んでしまうと、合併処理浄化槽は高いからと思ってしまう可能性もあるということで、こういった記述に関しては、もう少し公平・公正な記述の仕方、アンケートの調査の仕方も、もし今後さまざまな、これはアンケートはあくまで抽出型ですから統計上は多少参考にはなりますが、今後大事なのは、地域住民の方々とのコンセンサスを深めるための話し合いと意見聴取、また、情報の公開ですね、この際には、公平な情報を提供していただくようにぜひお願い申し上げます。 今後起きてくる問題は、今までも申し上げましたが、現実的に、下水道設備をつくってもなかなかつないでいただけないという現状でございます。 社団法人日本下水道協会の報告書、これは平成20年11月のものですが、下水道に接続しない理由は、複数回答で、高齢者世帯であること97%、低所得であること95%、合併処理浄化槽で不便を感じない90%、単独処理浄化槽でも不便を感じない82%、家屋の改築予定がある80%、あと、家屋が老朽化しているためと続いて74%となるんですけれども、これを見ますと、この傾向はますます強くなります。老齢化世帯がふえて、老朽化もふえて、低所得ということになりますと、今、接続対象世帯が6万数千あって、約1万強が接続されていない、つまり5人に1人が接続されないんです。これがさらにふえます。 ですから、どこのラインまでいわゆる建設して、どこのラインで料金徴収と、どこのラインで料金負担をというような非常に難しい選択と同時に、合併処理浄化槽の併用というような物すごく大きな課題に取り組んでいただかなくてはならないものですから、本当に大変だと思いますが、この予算を見直すと、私が前も言いましたように数十億円単位ではなく100億円単位の見直しと、さらに今後、人口が少なくなることを見ますと、これから新たにつくる設備は20年償還がほとんどなわけです。20年以上という長い償還でつくらなくてはならない設備なんですね。そういったことを考えますと、もっともっと慎重にこの計画に関しては当たっていただきたいというのをくれぐれもくれぐれもお願いして、次の質問に移ります。 企業会計への移行の準備について伺います。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 企業会計についてでありますが、現在のところ、平成28年度までには本格導入をしたいと考えております。これは、職員による取り組みを基本としながら、さまざまな知恵をお借りしながら取り組んでいくわけでございますが、こうした取り組みを通じて、これまでも心がけてきたわけでございますけれども、新しい時代を展望して、公平・公正な視点に立って、よりよい選択を市民の方にしていただけるような、そういった基礎的な考え方をしっかり取りまとめていく考えであります。 ◆9番(坂本稔君) そのようにお願いいたします。資産査定に当たっては、物すごく膨大な数と量と金額になりますので、大変なことだと思います。ぜひ、作業部門に関しても、さらなる人員配置に基づいて、素早い計算のし直しと対応をお願いしたいということで、下水道の最後の質問に移ります。 災害のときは避難所になるケースがある小学校・中学校ですけれども、いわゆる災害に絡んでもこの下水道がどのように接続されているかお聞きいたします。 今現在、小学校・中学校の下水道の接続状況についてお伺いいたします。 ◎生活環境部長(吉田浩君) 小・中学校121校のうち、下水道供用開始区域内には38校ございます。そのうち、37校は接続しております。残る1校は、体育館の改修にあわせ、接続する予定でございます。 ◆9番(坂本稔君) 思ったより進んでいってしまったんだなと。別に悪いことではないんですが。ただ、特にですね、せんだっての大地震の災害訓練の中でもお聞きしたんですけれども、大地震のときはインフラの復旧が、まず電気が約1日、水道が約1か月、下水道は何か月かかるかわからないと。つまり、避難所がトイレを使えるかどうか、また、大災害のとき、大地震のとき、仮設トイレが間に合うかどうかという問題がございます。このトイレの問題というのは、水と同じように結構重要なことなので、ではどうするかというようなことも、避難所の対応に関してはきょうはお聞きしませんので、ぜひ担当部署に関しては御検討いただいておくようによろしくお願いいたします。 最後の質問に入ります。フィルム・コミッションについて伺います。 よく、フィルム・コミッション、つまりロケ隊等が来ていただいたときの地元への経済効果というお話がございますが、本市ではこういった、今までの前例で結構ですから、何か事例がございましたら教えてください。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 本市におきましては、フィルム・コミッションによる直接的な経済効果について特に試算しているわけではございませんが、他市の例等を見ますと、例えば、神戸の、こちらはフィルムオフィスと呼んでおりますが、こちらは平均しますと1作品当たりで大体平均58万円くらいの直接的な経済効果、低いところですと、湘南藤沢フィルム・コミッションあたりですと1作品当たり平均18万円、逆に高いところでいいますと、いばらきフィルムコミッションあたりで1作品当たり平均112万円、こういった数字が試算されていると伺っております。 ◆9番(坂本稔君) 最近、いわき市もテレビでよく取り上げられておりまして、でも、テレビのロケ隊はあまりお金を落としていってくれないので、できれば映画の撮影隊が来ていただくのが一番いいことといいますか、経済にとってはいいんですが。 ちなみに、昨年10月から11月、いわき市でロケが行われた『BOX袴田事件命とは』、これはモントリオール映画祭にも出品されまして、残念ながら賞は逃しましたが、これからの裁判制度にとっては非常にいい内容であったかと、私も試写会を見て思いました。ここに関しては、9割方いわきでロケを行った。実際の舞台は九州と静岡だったんですが、地元のさまざまな方々、また、企業も数十社、あとは私の地元の四倉小学校、保育園の方々もエキストラで出ていたように、非常にいわき市にかかわりが深い作品になりました。この製作会社から資料をいただいたんですけれども、ロケハン費用概算費、これは、ロケ費、ロケーション代とか車両・美術費・エキストラ代とかもろもろ含めますと、約2か月間で1,625万円、これは領収書を切った金額ですね。これの約8割方がいわきに落ちるとなると、1,300万円という金が落ちたんですね。 私も、実は神戸のフィルム・コミッションにこの間視察に行ってまいりまして、聞いてまいりました。すさまじく進んでいて、神戸は市の予算が4,200万円、ただ、先ほど言った効率が約5,000万円、つまり、とんとんであれば最高だとおっしゃっていました。それ以外の経済効果から、広報効果が高いので、フィルム・コミッションにはめちゃくちゃ力を入れています。市では10名で当たっています。予算も違いますが、やはり、後に、きょうは時間がなくなったんですけれども、ぜひ市の幹部の方々も、いかにさまざまな分野にいい影響を及ぼすかを御理解いただくことを、啓発の項目を御依頼いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(矢吹貢一君) ここで、午後1時10分まで休憩いたします。               午後0時10分 休憩---------------------------------------               午後1時10分 再開 △木田孝司君質問 ○副議長(磯上佐太彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。26番木田孝司君。          〔26番木田孝司君第二演壇に登壇〕 ◆26番(木田孝司君) (拍手)きょうは9月8日、明けて平成22年も251日、ことしも残すところあと114日となりました。きょうからは二十四節気の白露、暑さが和らぐとともに、大気が冷え露ができ始めるころとされており、来る秋分へと季節が顕著に移ろう時節でございます。そして、この静ひつな空気が満ちる議場の外では、ことし9番目の発生となる台風の影響からか、ざわめく風と地面を間断なくたたく雨音が早朝から続き、自然の脅威が迫りくる気配が時間を追うごとに強くなってきております。間もなく迎える豊穣の秋に影響が出ないこと、人や物に被害が出ないことを願うばかりです。そんな思いを胸にとどめ置きながら、以下通告順に質問させていただきます。 質問の大きな1番目は、農業委員会の役割と農業の振興についてということですが、議員の中にも農業あるいは農業委員会に対して大変造詣の深い方もいらっしゃる中ではございますけれども、今あえてこのテーマを取り上げさせていただきましたのには、2つの理由がございます。 1つには、今次その策定作業が進められている(仮称)新いわき市農業農村振興基本計画において位置づけられたいわき市農業委員会の果たすべき役割というものに大いに期待を寄せる市民の一人として、農林業者による農林業者のための公的代表者機関であるこの組織がその立場として持ち得る権能を最大限発揮することが、農業者等の代表者としての職責を全うするということであり、結果、それが近代農業の確立と農業者と消費者のための農業の振興に寄与するものであることはその論を待たないところでありましょうし、それをつまびらかにすることで、その活動のための環境が整えられ、より活発な取り組みにいかばかりでも寄与できればとの思いの発露であります。2つには、普段の生活の中で直接的に農業とのかかわりを持たない私を含む一般の市民としての立場から、さきに申し上げました(仮称)新いわき市農業農村振興基本計画の策定作業が進められている今、私たちの命をつなぐ基本的要件としての食の部分に大きな位置を占めている一次産業、とりわけ農業という分野について改めて思いをめぐらせ、今定例会一般質問の中でも我が会派の岩井議員からも質問のありました産業の6次化に向けての農業の重要性を再認識し、私たちの暮らしを支えてくれる大切な部分としての農業に思いをはせながら、その振興策についてともに考えていく一助となすため、この際、質問させていただきたいと考えるところです。 まずは、ただいま申し上げました農業者の公的代表機関としての地位にある農業委員会につきまして、法律においてその役割の1つとして定められている農地情報の把握という事務について、どのような方法によってこれを行っているのかお聞かせください。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 農地の情報管理についてでございますが、農地は、市民の皆様の食糧供給を図るための重要な生産基盤であるとともに、農村景観を維持するなど、多面的機能を有するものであります。また、農業者においては、その権利の保護により地位の安定及び農地の効率的利用を行うことで、農業生産力の増進を図る基礎となるものであります。 このことから、これらを適正に管理するための農地情報につきましては、市内すべての農地について、農地法など法に基づく届け出や実態調査によって修正を加え、一筆ごとの利用状況を毎年更新しながら、データベース化した農地基本台帳を作成して管理しているところでございます。 ◆26番(木田孝司君) それでは、ただいまお話のありましたその農地基本台帳に記載されている基本的事項というのはどのようなことなのかお聞かせいただけますか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 農地基本台帳に記載されております基本項目につきましては、1つとして、土地情報といたしましては地番・地目・面積・所有者・耕作者・貸し付け形態や転用形態など、2つといたしまして、経営情報として農業委員会が独自に調査いたしました経営形態・経営面積・営農状況、3つといたしまして、農業者世帯に関する情報といたしまして氏名・住所・世帯構成などから構成されているものでございます。 ◆26番(木田孝司君) まさに基本的な項目が網羅された台帳であると理解しますけれども、今般、農地法の改正によりましてその管理項目が追加されたと仄聞しておりますけれども、この追加付帯的に記録されるようになった項目とはどういうものでしょうか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) おただしの農地法の改正によりまして、新たに農地基本台帳に追加されました管理項目につきましては、今回の改正法が広く農地を利用するということでございますので、株式会社等の法人が農業に参入した場合に義務づけられた農地利用状況の報告、それから、農地の適正な利用がなされない場合の勧告・許可取り消しに関する項目、また、農業委員会が年1回行う農地の利用状況調査の結果に関する項目、それから、相続等により許可を受けることなく農地を取得した場合の届け出事由や貸し借り・売買等のあっせん希望に関する項目、標準小作料制度の廃止に伴う実勢賃料に関する項目、遊休農地対策の強化により農地所有者への指導・勧告等の措置状況に関する項目、さらには、農地への仮登記がなされた場合の仮登記権者の情報等に関する6項目が追加されております。 ◆26番(木田孝司君) そうしますと、この台帳の基本的な使われ方というんでしょうか、これはどういうことになるのでしょうか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 農地基本台帳は、農地法に基づく転用などの各種申請に係る許可事務、それから、権利移動申請などに伴い実施する現地調査の業務、また、集落営農及び農地の規模拡大に伴う農地利用集積事務や、農業用軽油免税申請等に使用する耕作証明の発行事務など、農業委員会が業務を遂行するために必要な情報が記載されている非常に重要な台帳として活用しております。 ◆26番(木田孝司君) ただいま局長から非常に重要なというような表現のお言葉があったわけですが、先ほど来の答弁からうかがいますと、非常に詳細に、その農地というものに関して、農地というものの上に載ってくるさまざまな情報がまさに網羅されているものなんだなということがわかるわけですけれども、そのときに、この農業委員会が管理する農地基本台帳というものの上に載っている今申し上げたさまざまな情報を積極的に活用していく必要があるのではないのかなというか、活用できるのではないのかなと思うんですけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 昨年12月に改正農地法が施行されたわけでございますが、農地を適正に利用しなければならない旨の責務が新たに規定されたところでございます。したがいまして、農業委員会といたしましては、今議員がおただしの積極的な活動といたしまして、ことし3月に、市内に農地を有している県外居住者へ、農地の管理状況や貸し借り・売買等に関する意向調査を実施したところであります。今後は、これらの意向を持つ所有者へ貸し出し条件等を確認し、担い手等の経営規模拡大を希望する方へのあっせんを計画しているところでございます。 このような具体的な計画を含め、今後も、農地基本台帳の情報を積極的に活用いたしまして、農地の適正利用を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆26番(木田孝司君) 午前中の質問の中でも人口減少が言われた部分があるわけですけれども、恐らくこういった案件についても人口減少があらわれてくる部分があるのかなと私も感じるわけです。ぜひともそういった部分、フォローというか、埋めていく意味でも、積極的な取り組みをお願いしたいと思います。 続きまして、耕作放棄地対策ということで伺いますけれども、一昨日の質問でもこれに関連する質疑があったところですけれども、重複する部分があることをお許しいただきながらお尋ねしますが、本市の農地に占める耕作放棄地の面積というのは現状でどのようになっているかお聞かせください。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 本市における耕作放棄地の面積といたしましては、5年ごとに行われます農林水産省の農林業センサス、2005年でございますが、いわき市の耕作放棄地の面積は1,441ヘクタールとなっております。 また、農林水産省が策定した要領に基づいて農業委員会が実施いたしました平成20年度・平成21年度の2カ年での市内の耕作放棄地実態調査では、草刈り等により直ちに耕作可能な土地は726筆で52ヘクタール、重機による基盤整備などを行うことで再利用すべき土地は2,064筆で150ヘクタール、既に山林原野化し耕作不可能な土地は3,903筆で286ヘクタール、全体で6,693筆488ヘクタールの土地を確認しているところでございます。 ◆26番(木田孝司君) やはり、一昨日もお示しいただいた数字ですけれども、聞くにつれ、非常に多いなというか、意外にあるんだなという気がするわけです。 そこで、その耕作放棄地対策という観点から、これに対して農業委員会が取り組んでいる現在の状況をお聞かせいただけますか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 耕作放棄地対策への取り組みといたしましては、農業委員会独自に設置してございます遊休農地等対策検討委員会におきまして、耕作放棄地の発生要因や分析、解消策等、有効な利活用方策を検討しているところでございます。 このような中にありまして、本年3月には農家との相談時に活用する耕作放棄地解消対策マニュアルを検討委員会で作成いたしまして、耕作放棄地所有者への意向調査を実施しているほか、農業委員それぞれが、地元に所在する耕作放棄地について耕作促進や新たな耕作希望者を探し、貸し借りに結びつける活動を行っております。また、耕作放棄地解消に係る各種施策を紹介するとともに、その利用に当たりましては所管する関係機関等への連絡・調整を行うなど、農業者と行政とのパイプ役を担っているところでございます。 ◆26番(木田孝司君) 農業、一次産業の産品は、食文化あるいは食というものに対して大変大きな影響を与えると、しかも、それが、そういった観点からすれば国の基をなすものだというお話がこの議場でもあったところですけれども、ただいまお話いただいたような、答弁いただいたような内容をさらにということで強化していく必要性もあるのだろうなと私は感じるわけですが、農業委員会としては、それに対してはどのようにこれから強化策ということで対応していくお考えでしょうか。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 前段でも申し上げましたが、改正されました農地法におきましては、農業委員会による農地の利用状況調査が義務づけられたところでございます。この調査によりまして、農地が有効に利用されているかを確認し、耕作放棄地につきましては、その所有者に対して農地の利用増進を指導することとされております。農業委員会では、検討委員会が独自に作成いたしました耕作放棄地解消対策マニュアルを活用いたしまして、所有者に対して耕作や管理・貸し出しを促すなど、個別案件に対する指導・相談を強化していく予定でございます。 さらに、耕作放棄地解消に当たりましては、農業政策全般にわたる総合的な対策を講じなければならないという考えもございますことから、昨年11月に県・市・関係団体等が参加して設立されましたいわき市耕作放棄地対策協議会と連携いたしまして取り組んでまいりたいと考えております。 ◆26番(木田孝司君) その耕作放棄地対策協議会というものがつくられて、いよいよ本格的にというか、さらにということでの取り組みが始まると聞かせていただいたわけですが、その辺の制度、仕組みをしっかりと使いながらというか、活用、生かしていく中で、この耕作放棄地を、できることならこの488ヘクタールがゼロになるということを望みたいわけですが、ゼロに近づける努力というものを怠らずしていただきたいと思います。 さて、この耕作放棄地等も含めて農業振興という部分、先ほど来申し上げております、今、基本計画の練り直しということで作業の最中ではありますけれども、その基本計画の大前提、目標となってくるのが、この農業振興ということだろうと思います。それに果たす農業委員会の一般的な役割ということでお聞かせいただきたいと思いますけれども、農業の振興という観点からの農業委員会におけるこれまでの取り組みについてお聞かせください。 ◎農業委員会事務局長(根本彰彦君) 農業の振興に係る取り組みにつきましてでございますが、農業関係団体・機関それぞれが担う役割において多様な取り組みを実施しているところでございます。その中で、農業委員会における役割といたしましては、農業経営の基盤である優良農地の確保とその利用集積であるととらえております。具体的には、違反転用の防止、耕作放棄地解消活動による農地の確保のほか、高齢化等の理由により耕作が困難となった農家が所有する農地を認定農業者及び担い手へあっせんする利用集積活動への取り組みであると考えております。 この取り組みにつきまして、具体的に近々の大規模例を挙げますと、平地区における施設園芸新規参入に伴いまして、農業生産法人の立ち上げ、それから農地の集約、その利用計画、農業活動に対する助言などを行うなど、地域の実情に合った農地行政を基本として、農業の振興に努めているところでございます。 ◆26番(木田孝司君) いろいろ取り組みをする中で、そのような農業生産法人の立ち上げですとか、あるいは実際農地を持っていらっしゃる方と農地として使いたい方の仲立ちをしていくということで、具体的なそういった効果も上げているということだと思いますが、さらにということで、ただいまお話があったような、借りたい人あるいは農地として使ってみたいんだという希望を持っていらっしゃる方も含めた、そういった個別の情報というんでしょうか、これを農家の皆様に対して提供していく、情報提供の役割を強化するということもやはり必要なのかなと思うわけですが、その点についてはどういったお考えをお持ちでしょうか。 ◎農業委員会会長(鈴木理君) 農家の皆様への情報提供といたしましては、従前より、農業委員会の広報紙であります農業委員会だよりを年4回発行いたしております。市内の2つの農業協同組合の協力のもとに、農事組合を通じて農家へ配布しているところであります。その内容は、各種事業施策や農地制度といった行政からの情報提供のほかに、農地の売買・貸し借り希望者に関する情報、新規就農者や地域で頑張る農業者の紹介等々、多岐にわたるものとなっております。 今後は、農業委員会だよりのさらなる紙面の充実を図ることはもちろんのこと、それぞれの農業委員が、地域農業者の相談役としてみずからが知恵を出し汗をかきながら、行動する農業委員会として活力ある地域農業・農村の構築に向けた資質向上に向け、近隣農家を訪問し農政情報の伝達・啓発活動を推進していくことが最も重要であるとの考えを念頭に置いて推進してまいりたいと思っております。 ◆26番(木田孝司君) 会長から大変力強いお言葉をいただきました。実際、今、情報化社会と言われる中で、この農業委員会だより、年4回というのは、予算等あるいは時間的な制約もある中でなかなか大変なことなのかなと思うわけですが、それをフォローというか、埋める形で、農業委員の皆さんが実際に訪問した上でそういった情報を直接伝達する、あるいは啓発活動ということでかかわっていくということだと思いますが、さらにさらにということで、会長を中心に一丸となってそういった取り組みを強めていただきたいなと思います。 そういった観点からして、先ほど来申し上げているこの(仮称)新いわき市農業・農村振興基本計画における農業委員会の役割とはいかにということになってくるんだと思うんですが、現行計画のこの次期計画として、今、策定作業を着々と進められているということで仄聞していると申し上げましたが、新しく策定される計画における農業委員会と市農林水産部はどういった位置関係にあるのかお聞かせいただけますか。 ◎農業委員会会長(鈴木理君) (仮称)新いわき市農業・農村振興基本計画につきましては、現在、市農林水産部においてパブリックコメントを集約している段階であると伺っておりますが、この基本計画では、各種農業の振興施策を実効あるものとするために、生産者である農業者や農業生産法人等と、農業関係団体である農協と、そしていわき市とが連携・協力して各種施策を推進していくこととしております。 この中において、農業委員会は、農業経営の基盤である農地に係る独立した行政機関としての役割を果たすとともに、いわき市と密接に連携を深め、市農林水産部の施策に対して協力していく位置関係にあるものと思っております。 ◆26番(木田孝司君) 密接に連携しながらというお言葉でしたが、私も、この基本計画の素案というか、見せていただく中で、フローチャートといいますか、どういった情報の流れがこのいわき市の農業関係者、関係する方々の間で動くのかというような図式を見せていただいたところなんですけれども、その中では、今おっしゃったように、密接に関係、協調しながらということでお話があったわけですけれども、当然、市当局と一緒になって生産者を支援し農業振興を図っていくという立場だと、農業委員会はそういう立場なんだと理解しますが、その果たす役割というんでしょうか、農業委員会としての役割というのはどの辺にあるのかお聞かせいただけますか。 ◎農業委員会会長(鈴木理君) 農業委員会は、農業委員会等に関する法律により、農業生産力の発展及び農業経営の合理化を図り、農民の地位の向上に寄与することを目的として設置されており、また、農地法や農業経営基盤強化促進法に基づき、農地の利用制限や集積、法人化や経営の合理化に関する業務を行うと規定されております。 このことから、農業委員会が農業振興を図っていく立場といたしましては、優良農地の確保や農地の集積を通じた担い手への支援、新規就農者及び法人等の農業参入支援、さらには集落営農の促進等々、農地行政を推進していく組織として果たすべき役割を担っているものと考えております。 ◆26番(木田孝司君) 今会長から答弁ありましたように、いろいろとやらなければならないことがあるということだとしますと、この(仮称)新いわき市農業・農村振興基本計画については、現在そういう状況、非常に目まぐるしく周辺を取り巻く環境が変化するような状況の中にあって、市当局の組織の内外で設置が予定されているのは、これに関する推進委員会あるいは推進会議ということで組織化される予定というか、計画があるわけですけれども、その計画を進める上で、その組織が点検評価をきちんとしていくことによって、より実態に即した計画の推進が成ると私は理解しております。 片や、農業委員会が農業者の代表機関として毎年行っております市長への農林業の振興に関する建議を組み立てていく上で日常的に行っております情報収集、それから、それを農業者へとフィードバックさせていく、先ほどお話があった農業委員会だよりですとかそういうものがそれに当たるんだと思うんですが、そういった情報提供の手法というものが、その計画の効果をより高めて、即応性をさらに発揮していくものだと私は思います。 そこで、この計画において農業委員会として行おうとする具体的な取り組みというのはどういうものなのかお聞かせいただけますか。 ◎農業委員会会長(鈴木理君) 計画における具体的な取り組みといたしましては、農地の利用等を通じた役割を果たすことに関して、日常的な農地パトロールによる農地の利用状況の把握や、耕作放棄地所有者等への改善指導、また、農業経営の縮小、そして規模拡大というものを希望する農家との相談を通じた農地の利用権設定等促進事業等による利用集積を積極的に進めてまいります。 しかしながら、農業委員会の目的である農民の地位向上のためには、これら農業生産の基盤である農地の確保だけにとどまらず、生産から流通・加工・販売等、農政全般にわたる総合的な対策が必要でありますことから、農業者を代表する行政機関の本質である農業施策へ建議するとともに、農業関係機関・団体と連携を深めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、これらの農業の振興に当たりましては、個々の農業委員が、農家の相談役・世話役、そしてまた、地域のリーダーとしての資質向上に向け自己研さんを重ねるとともに、地域に密着した活動を推進し農家と行政との橋渡しの役割を果たすことが最も重要であると考え、その活動に邁進していく所存でございます。 ◆26番(木田孝司君) 大変力強い答弁をいただきました。会長のお言葉にもありましたけれども、農業者の地位向上、それを目指すのが第一義的な目的だということ、それに加えて、市当局が行うべき政策としての農業の振興、それががっちりとかみ合うことで、会長が今おっしゃった目的とするところも達せられるし、おのずとその結果として、その恩恵に浴すべき市民の食文化というのも維持、あるいはさらにその膨らみを増してくるものなのではないのかなと私自身考えています。どうか、鈴木会長を中心に農業委員会の皆さんが一丸となって、そういったところの取り組み、お骨折りをかけるわけですが、お願いしたいと思います。 それでは、時間もちょうど半分過ぎましたので、2番目の大きな質問に移らせていただきたいと存じます。 大きな質問の2つ目は、いわき芸術文化交流館アリオスについてです。 5年前、音楽を愛する子供たちの熱意にほだされたいわき市民9万7,358名に上る署名を受けて、市長選挙における争点の1つとしてまで取り上げられながら、その思いが完全な形でかなえられることもなく折衷案的な姿で最終的に決着はしたものの、今や本市の文化や舞台芸術というところについて語るとき、なくてはならない存在として市民の皆様にも受け入れられ、認知されている存在となったこのいわき芸術文化交流館アリオス、これまで平市民会館が担ってきた各種大会などの催事は当然、単なる舞台芸術の披露の場としてだけでなく、施設を飛び出して広く市民の皆様のそば近くへ行ってのさまざまなパフォーマンスの展示や、実際に舞台に立つことを目標として行われる市民向けのワークショップなど、見せるだけではない、芸術と文化、そして人のまさに交差点としての役割を見事に果たす施設としてのカラーが見事にあらわれてきている今日の状況は、改めて私から申し上げるまでもなく、本市市民のだれもが知るところとなっているわけです。 その一次オープンから約2年が経過、全館が機能し始めて1年が過ぎました今、多少の検証をさせていただきながら、いわき芸術文化交流館アリオスが我が国の公共ホールの果たす役割と可能性についての先進性を発揮する施設となることを願って、以下、質問させていただきます。 まずは、施設の運営状況について確認させていただきますが、基本のキということで、このアリオスへの開館からの来館者数は延べ何名ほどになったかお聞かせください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) いわき芸術文化交流館アリオスのホール・劇場の入場者や練習室等の利用者、さらにレストランやラウンジ等の一般開放スペースの利用者など、施設全体の来館者数につきましては、平成20年4月の第1次オープンから平成21年度末までの2年間の実績で申し上げますと、平成20年度が約53万4,000人、平成21年度が約76万3,000人であり、合計で約129万7,000人となっております。 ◆26番(木田孝司君) 非常にたくさんの方に来ていただいた、御来場されたということだと思いますが、今、レストラン等の利用もあったということで伺いました。それはさておき、この施設で、観覧料というんでしょうか、そういったものも含めて、収入として得られた額というのは、概算で結構なんですがいかほどになりますでしょうか。わかりましたらお示しください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスの主要な歳入である公演の観覧料とホールや練習室等の使用料について、2年間の実績を申し上げますと、観覧料につきましては、平成20年度が約5,241万円、平成21年度が約3,793万円であり、使用料につきましては、平成20年度が約4,862万円、平成21年度が約5,294万円となっております。 ◆26番(木田孝司君) 平成20年度のオープン当初よりも平成21年度は少し下がった、あるいは、練習や何かで逆に使う人がふえたということで、なじみが出てきたのかなというような見方を私はさせていただきたいと思いますが、この施設が計画されましてから、都度いろいろな場所で言われていたところではありますけれども、この施設への人の出入りがあることで周辺ににぎわいが創出されるんだということ、市中への経済的な波及効果があるんだということが言われていたわけですが、これについては、当局としてどのように見ていらっしゃるでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスの運営に伴う経済波及効果につきましては、平成20年度におけるホール・劇場への入場者及び出演者・スタッフがもたらす消費支出額、いわゆる直接的経済効果を算出し、これをもとに、福島県の産業連関表を用いて一定の試算を行ったところであります。この方法によりますと、当館の主催事業・共催事業で行っているアンケート調査の結果等から、入場者や出演者が支出する飲食費・交通費・宿泊費等を設定して算出した消費支出の最終需要額は約8億3,000万円、これをもとに、県産業連関表に基づく生産誘発係数を加えた経済波及効果は約10億7,000万円と試算されたところであります。 ◆26番(木田孝司君) 予想以上にという印象を受けました。 そして、ここでのイベント、その内容によりましては遠くは関東圏からお客様が来場されるということも、過去のこの議場におけます質疑によって明らかにされているところですけれども、交流人口という観点からは、その人の動きについて当局の知るところがありましたらお聞かせいただけますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスのホール・劇場で催された各種公演や大会等への入場者数は、平成20年度が約18万9,000人、平成21年度が約19万4,000人となっておりますが、主催事業等でのアンケート調査の結果によりますと、市外からの入場者の割合は、平成20年度が14.3%、平成21年度が20.5%となっており、この数値をもとに試算した場合、市外からの入場者数は、平成20年度が約2万7,000人、平成21年度が約4万人、2年間の合計で約6万7,000人になるものと推計されます。 このほか、各種公演や大会等の出演者・スタッフとしても市外から多くの方々が来館されており、交流人口の拡大に大きく寄与しているものと考えております。 ◆26番(木田孝司君) こういった、今お示しいただいた数字を踏まえてということで、このいわき芸術文化交流館アリオスの設置目的とするところの達成状況について、現時点における当局としての所感をお聞かせください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスは、市民みずからの芸術文化活動を促進することにより、市民文化の振興やまちのにぎわいの創出を図ることなどを目的として設置したところであります。これまで、さまざまなジャンルの質の高い公演を初めとして、市民文化の創造に向けた各種ワークショップ等を自主事業として実施し、参加した市民などから好評を博しているほか、先ほど御答弁申し上げましたとおり、市内外から多くのお客様に御来館いただいているなど、一定の成果が得られているものと考えております。 ◆26番(木田孝司君) 建設に至るまで、そして建設されてから紆余曲折がありながらということでも一定の効果、想定するところの効果が得られているんだなということ、私も強く感じるところですが、続いてということで、館を運営していく上での大きな柱の1つであります自主事業の実績とそれによって得られた効果というところを検証させていただきたいと存じます。 アリオスが行う自主事業自体、鑑賞と創造、それから普及・アウトリーチ、支援・育成というような3つの視点から、そういったところに力点を置いて多岐にわたる事業が行われているということは私も承知しておりますし、それらすべての自主事業のそれぞれについてというのは残念ながら時間が許しませんので、何かを取り上げてということになるわけですが、私自身、アリオスが行っている事業として非常に興味を引かれる事業、普及・アウトリーチ事業の一環として行われているところのおでかけアリオスについて伺いたいと存じます。 このおでかけアリオス開催に当たってのコンセプトと申しますか、目的はどんなことだったのでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) おでかけアリオスは、広域都市である本市におきまして、施設から遠距離にある学校や福祉施設、地域のコミュニティー施設などにアーティストとともに出向いていくことにより、生の芸術体験をより多くの市民の皆様に親しみやすい形でお届けするとともに、地域の資源を生かしたオリジナル作品の発信やアートを中心に人が集まる新しいコミュニティーづくりを目的として実施しているものでございます。 ◆26番(木田孝司君) それでは、これまでどのようなことが行われてきたかということで、具体的な事例をお示しいただけますでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) おでかけアリオスは、第一次オープンの前年であります平成19年度から行っており、これまでに、弦楽四重奏などのクラシック音楽のほか、ポピュラー音楽や小学生を対象とした人形劇、さらには落語など、さまざまなジャンルの事業を行ってきたところであります。 ◆26番(木田孝司君) いろいろなジャンルのということで、市民のそばへ寄っていく、そんな事業展開がされているということだと思います。 それらの実績、行ってきたことに対する主催者としての検証をどのようになされていますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) おでかけアリオスにつきましては、他の主催事業・共催事業と同様に、その参加者に対して可能な限りアンケート調査への御協力をお願いしているほか、平成21年度におきましては、新たに事業への参加者を対象としたインタビューを実施するなど、事業の検証に努めているところであります。 ◆26番(木田孝司君) アンケート調査・インタビュー等でその声を聞いているということですが、そうしましたら、このおでかけアリオスに参加された方からは、そういったアンケートあるいはインタビューを通じてということで、どういった声が寄せられているのでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) おでかけアリオスの参加者からは、音楽や人形劇など生の芸術文化に触れたことへの感動や喜びといった声が大多数であり、そのほか、施設を離れ身近な場所へ出向くという本事業に対する高い評価の声が寄せられているところであります。 ◆26番(木田孝司君) 私も幾つか参加といいますか、見学させていただきましたが、非常に感動的なというか、心躍る内容のイベント、折に触れて開催されていたなという印象を持っております。 そしてもう1つ、非常に興味深いイベントが、去る6月26日、アリオスの小劇場を会場として開催されましたが、このアリオス事業報告会ぺちゃくちゃ集会と銘打ちましたイベント、この開催目的は何だったのでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 事業報告会は、平成20年4月の第一次オープン以降の2年間における事業運営の考え方などを御説明することにより、アリオスについての御理解を深めていただくとともに、市民の皆様にアリオスに対する評価などについて話し合っていただき、それらを今後の運営に生かすことを目的として実施したものであります。 ◆26番(木田孝司君) そのイベントはどのような方が参加されていましたか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 事業報告会には、これまで当館が実施した事業にかかわった方々を初めとして、一般の市民の皆様、さらには市外の文化施設の職員の方々など、約50名の参加をいただいたところであります。 ◆26番(木田孝司君) イベントの内容をお聞かせください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 事業報告会は2部構成により実施し、まず、第1部におきましては、2年間の施設利用状況や音楽・演劇などの各種事業の意図や成果などについて、アリオスの職員が報告を行いました。 また、第2部におきましては、アリオスの事業にかかわった8名の市民の方々が、その経験を紹介しながらアリオスへの評価や期待などについて発表するとともに、参加者からの質問を受け、アリオスからの回答や、ゲストとして迎えた2名の芸術文化の専門家からのコメントを交えたディスカッションを行ったところであります。 ◆26番(木田孝司君) 実際に会場に足を運んでくださった参加者の皆さん、その参加者ということで言うと、実際これまでおでかけアリオス等にかかわりを持った方々ということにもなるのかなと思うんですが、そういった方々の反応というのはどんなものだったのでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 第2部で発表いただいた市民からは、ワークショップに参加し想像をはるかに超えた充実を得ることができたといった声やおでかけアリオスによって地域づくり活動が活発になり大変勇気づけられたといった声が寄せられたほか、ディスカッションにおいては活発に質問が出されるなど、アリオスに対する高い関心が示されたところであります。 ◆26番(木田孝司君) アリオス事業報告会と冠のつけられたこのイベント、第1次オープンから現在までの区切りとして考えたとき、当局としては、これまでのアリオスに対して向けられている評価はどのようなものだととらえていらっしゃいますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 事業報告会におきましては、市民の皆様からアリオスの運営全般に対する高い評価と大きな期待の声が寄せられたところであり、そのほか、主催事業等でのアンケート調査において総合的な満足度が90%を超えているという結果なども考慮いたしますと、おおむね高い評価を得ているものと受けとめております。 ◆26番(木田孝司君) そういう高評価をいただく、あるいは、自分たちの中でもそういった考えが一般的な考え方として通っていくということ、非常に運営・運用がうまくいっているんだなという印象を持つわけですが、それではということで、今後の、これからのということに話を進めてまいりたいと思います。 ただいまのような認識を踏まえ、今後の運営や事業の進め方というところで、市民の皆様の声を聞くということに関しては、先ほどもお話がありましたけれども、オープン当初から機会をとらえて来場者等へのアンケートが行われていたと承知しているわけですが、このアンケートや、あるいは直接的に届けられたものも含めて、市民の皆様から寄せられた施設運営に関する要望等についてはどのような状況になっていますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) これまで、主催事業等でのアンケート調査のほか、一般来館者や貸館利用者を対象とした施設の維持管理に関する聞き取り調査を実施しておりますが、館内のわかりやすい案内表示やガラス戸への安全表示を求める御意見、さらに、練習室等の温度調整などについての御意見などが寄せられております。 ◆26番(木田孝司君) 今指摘のあったような事項や案件についての対応はどのようになされていますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) お寄せいただいた御意見等に対しましては、直ちに現状を確認し、優先度などを見きわめながら、可能なものにつきましては速やかに改善等の対応を図ってきたところであります。 ◆26番(木田孝司君) ただいまの質疑というのは施設運営という観点からなわけですけども、これをハードということでとらえるなら、これと対をなすソフトという観点から、さまざま行われている事業実施に当たっての市民の皆様からの要望ということではいかがでしょうか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 事業に関する要望等につきましては、主催事業等でのアンケート調査などにおいて、質の高いクラシック音楽の公演を初めとして、音楽や演劇などのジャンルごとにさまざまなアーティストなどの公演を希望するものがあるほか、ワークショップなどの市民参加型の事業に対しましては、今後も継続的な実施を要望するものなどが寄せられております。 ◆26番(木田孝司君) そういったことを踏まえて、特にアリオスらしさを打ち出していく上で重要な要素となってくる、今お話がありましたけれども、自主事業の方向性についてのお考えをお聞かせいただけますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 今後におきましては、市民の皆様のニーズを十分踏まえながら、引き続き、質の高い鑑賞事業や市民参加型の創造事業、おでかけアリオスなどの普及事業などに取り組み、舞台芸術を介して、より多くの市民の皆様の生活が豊かで充実したものとなるよう、効果的な事業展開に努めてまいりたいと考えております。 ◆26番(木田孝司君) そういった事業展開を進める上でなくてはならないのが、受け手たる市民の皆様への情報の提供ということになってくるのかなと思うんですが、この情報の提供ということに関して、そのあり方についてお尋ねしたいと思いますけれども、アリオスに関する情報、あるいは舞台芸術・音楽などに関する情報で、まだまだ市民の皆さんにも知られていないところもあろうかと思います。新着情報ということになる各種イベントの情報とあわせて、そういった分野の基本的な知識としての情報についても適宜市民の皆さんにもお知らせするためのツールとしてあるアリオスペーパー、その最新号のアリオスペーパーのvol.15が8月27日付で発行されました。 秋の風夢の通ひ路吹き寄せよという副題がついているこのアリオスペーパーですが、市民の皆様にも既におなじみのフリーペーパーということも言えるのかなとも思いますが、この編集方針として、どのようなところに意を用いてその作業に当たってらっしゃるのかお聞かせいただけますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスペーパーは、当館の中心的な広報媒体として、公演に関するタイムリーな情報提供を初め、施設利用に当たっての基礎的な情報をシリーズで掲載するほか、アンケート等で寄せられた施設や事業に対する質問へのわかりやすい回答など多彩な情報を掲載し、市民の文化活動の支援に努めているところであります。 また、去る8月27日に発行した最新号からは、紙面の編集にも市民が参画し、施設利用者や事業参加者が執筆した体験談を掲載するなど、幅広い市民に関心を持っていただける紙面づくりに意を用いているところであります。 ◆26番(木田孝司君) このアリオスペーパー、私も、非常にセンスのよい、しかも、見た目だけでなくてその内容についても興味を引く記事であふれ、非常に楽しい読み物であると思っている一人ですけれども、先日東京において開催されました在京・地元各界交流の夕べ、この席上、参加された皆様へも、この最新号が配られたと伺っております。先ほども申し上げましたが、アリオスには遠来のお客様として関東圏からも多数お見えということも聞いておりますし、そういったところを通して首都圏での評価を確立することが、アリオスに対する外的評価となり、ステージに立つ側の方からも使ってみたいホールとしての位置を得て、結果として、市民の皆様が望むような舞台芸術あるいは公演の開催に大きな弾みをつけるきっかけになるものと考えるところです。 そこで、このアリオスペーパーをさらに生かしていく考え方として、本市東京事務所と連携した取り組み、すなわち、いわき市東京事務所から発信される情報の1つとして、マスコミや関係する機関へこれを持参し、直接手渡しするといった方法などで首都圏への売り込みをさらに強化していくことについて御所見をお聞かせいただきたいと思いますが、関係機関への情報提供として、これまでも郵送によってお届けしていたということを仄聞しておりますけれども、直接伺う・対面する・手渡すというこの一連の動作から話の端緒が開かれて、さまざまな会話が生まれるきっかけになるものと考えるところでありますので、その辺しんしゃくの上、御答弁いただきたいと存じます。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 首都圏への広報につきましては、アリオスの利用が促進されることにより、本市の交流人口の拡大につながる重要なものと考えられますことから、先ほどお話いただきましたように、さきに行われた在京・地元各界交流の夕べにおいて、参加者へアリオスペーパーなどの配布を行ってきたところでありますが、今後におきましては、東京事務所との連携による効果的なPRについて検討してまいりたいと考えております。 ◆26番(木田孝司君) もう1つ、アリオスが持っております情報提供ツールの1つとして忘れてならないのが、インターネットを使ったホームページ等の運用ではないかと考えております。 一般的にはホームページというものがその手段としてはよく知られているところですが、このITの分野は日進月歩、そのほかにも新しい情報提供の手段が次々と構築されている状況にありますので、ホームページ以外にインターネットに乗せられる姿での情報発信、具体的に行われているものがあればお示しいただけますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスにおきましては、施設案内や公演情報、事業内容を紹介するブログなどのホームページを開設しているほか、希望者に対するメールマガジンを配信しているところであります。 また、本年8月からは、新たにリアルタイムの情報を簡潔な文章で提供することができるツイッターを活用した情報発信を始めたところであります。 ◆26番(木田孝司君) それでは、確認の意味を込めてということで、メールマガジンの購読者がどれぐらいいるか把握されていましたらお聞かせください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスのメールマガジンは、毎月1回を基本に希望者に対して配信しておりまして、平成22年8月末現在で約3,200人の登録をいただいております。 ◆26番(木田孝司君) 今、メルマガのほかにツイッターということもお話がありましたが、このフォロワー数がわかれば、さらにということでお聞かせいただけますか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 8月20日に本格稼働したところでありまして、このフォロワーは8月末現在209人となっております。 ◆26番(木田孝司君) この数字が多いか少ないかというのは後々結果としてあらわれる部分だろうと思いますが、ただいまお示しいただいたメルマガ等を活用するなどして、ピンポイントで特定のジャンルの情報を配信・提供していくこと、これも必要なことでしょうし、より深いところでの情報を得たいという思いを持つユーザーの取り込みを図っていくことも必要かと思いますが、こういった取り組みについてはどのようにお考えですか。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) インターネットも含めてさまざまな情報提供を行っているわけですけれども、さまざまな事業等も含めて、いろんな機会を通じて、個人的な、あるいは利用するネットワーク等も含めて、いろいろ知らせてまいりたいと考えております。 ◆26番(木田孝司君) その情報などの提供のあり方という視点でここまで伺ってきたわけですけれども、その提供される情報の蓄積という視点から、何点かお伺いします。 この2年間の間に、場所としてのアリオスにおいて実施された事業、主体としてアリオスが実施した事業という区分をせず、自主事業というくくりで考えたとき、当然、企画段階からさまざまな要件を組み合わせ、重ね合わせた姿としてのイベントがあるわけですが、今日まで催行されたそういったイベントに係る記録というのはどのように残されていますか。
    市民協働部長(佐藤隆君) 自主事業として実施した公演等の記録につきましては、入場者数や観覧料収入、事業費等のデータのほか、公演プログラム・写真など公演内容に関するものなどをそれぞれ個別に保存しているところであります。 ◆26番(木田孝司君) 少なくとも、自主事業として行われたイベントについてのさまざまな記録、これは、言葉は適切でないかもしれませんが、見た目には瑣末なものであったとしても、その情報を欲する人からしますと、それに触発され、あるいは、そこから新しい何かを見出してということで、みずからが新たな情報の発信者となって、このアリオスを有効に活用してくれることになるものと考えます。 私は、アリオスを単なる箱としての公共ホールととらえるのではなく、アリオスという表記の前に掲げてある芸術文化交流という言葉にこそ、この施設の存在意義を見出すものです。 いわき市民の日常の中に溶け込んだ意識としてある芸術や文化と晴れの日に接する芸術と文化が違和感なく混在し、一体的な姿として目の前に展開する状態を見ることができる施設としてのアリオスと、それらの芸術や文化といったくくりをするときのさまざまな情報をインプットあるいはアウトプットする機能としてのアリオスという、人と物、情報が交差・交流する、例えとしましては、本来の意味とは多少違いますけれども、最近IT用語の中でよく聞かれるクラウドという言葉、雲という意味でありますけれども、これで表現されるのではないかなと思います。いろいろな情報が出る・入る、それがいろんな人がアクセスできる状態がそこに存在するということが大事なのかなと思います。 ここに集まる芸術や文化といった分野のさまざまな情報を市民共有の財産と位置づけた上で、自由にアクセスすることのできるエリアとして、それらの記録を体系的にまとめた上で保存していく考え方というものが必要になってくると思いますが、そういったことに関する当局の考えはいかがでしょうか、お聞かせください。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) アリオスの自主事業に関する記録につきましては、当館の貴重な運営データでありますことから、その整理・保存につきましては、より効率的・効果的な方法を今後検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(磯上佐太彦君) ここで、午後2時30分まで休憩いたします。               午後2時11分 休憩---------------------------------------               午後2時30分 再開 △坂本竜太郎君質問 ○副議長(磯上佐太彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番坂本竜太郎君。          〔1番坂本竜太郎君第二演壇に登壇〕 ◆1番(坂本竜太郎君) (拍手)1番いわき市議会志道会の坂本竜太郎でございます。 この9月定例会一般質問の初日の質疑におきまして、間もなく就任1年を迎えられます渡辺市長は、この1年は瞬く間に過ぎたというのが率直な実感でありますという感想を述べられました。私も、全く同感であります。さらに、市長は、オールいわきの体制で、人・まちが明るく輝くサンシャイン・いわきの実現に引き続き取り組んでまいると、ぶれずに力強くおっしゃいました。改めて心強く思いました。私も、先輩議員の皆様の御指導のもと、初心を忘れることなく一層精進いたしますとともに、今回もオールいわき、そして、国はどうあれこのいわきは先手でという信念のもと、以下通告順に従いまして、市政一般に対する質問を申し上げます。 まず、大きな項目の1番目は、本市の国際交流についてであります。 このテーマも、これまで多くの先輩議員の皆さんがこの場で論じてこられました。私も、その延長線上に立ちながらも、オールいわきを目指すには、この国際交流というものを新たな視点で促進し、世界の中のいわきという観点から見ることも肝要であるという考えから、これまでの状況とこれからのあり方について、順次お尋ねいたします。 初めに、これまでの国際交流の状況について確認させていただきます。 なかなか市民の皆様に伝わっていない部分もあろうかと思いますので、やはり、これまでの中国撫順市やオーストラリアのタウンズビル市との、友好都市・国際姉妹都市との交流の特徴についてお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 友好都市であります中国の撫順市とは、青少年・教育・文化・スポーツなど、これまでさまざまな分野での交流を進めてまいりましたが、最も特徴的なものといたしましては、総合磐城共立病院における医療技術研修生の受け入れを通じた交流が挙げられます。 また、国際姉妹都市であるオーストラリアのタウンズビル市との交流におきましても、青少年・語学・文化・スポーツなど、さまざまな分野での交流を進めてまいりましたが、特に、ラグビーなどのスポーツ交流や中学校英語弁論大会優勝者の派遣交流など、青少年の交流が特徴的なものであると考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) さまざまな面での交流が長い間なされてきたことを改めて認識いたしました。特に、共立病院の医療交流などは、本当に実績を上げて、感謝もされ、撫順市の病院も立派なものであると聞き及んでおります。 今、具体的にお話はあったんですが、もう少し具体的に、いわゆる比較的若い世代の国際交流事業について深くお伺いしたいと思うのですが、よろしくお願いいたします。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 若い世代の国際交流でございますが、中国の撫順市との交流では、卓球・バドミントンなどのスポーツ分野や書写などの文化分野において、中学生や小学生の交流を行ってまいりました。 また、オーストラリアのタウンズビル市との交流では、英語弁論大会で優勝した中学生・高校生の派遣やタウンズビル市スピーチコンテストで優勝した高校生の受け入れなど、若い世代による相互交流に力を入れ、取り組んでまいったところであります。 ◆1番(坂本竜太郎君) なるほど、本当に語学、スポーツ、あるいは文化の面等々、小学生も含む本当に若い世代の交流も代々なされてきたわけでございます。早い段階からの国際経験、異文化との交流、あるいは相互理解など、極めて有意義なことであると思います。 これらの経験を礎に、どんどんこのいわき市の国際交流レベルを上げていただきたいものでありますが、もう一段進んだと申しましょうか、より自分の考えや認識・知識を持ち合わせている世代である大学生の国際交流事業について、どのような状況であるのかお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 中国の撫順市とのスポーツ交流において、卓球やバドミントンの学生選手を派遣いたしましたが、その中には大学生もおり、現在でもそれぞれの分野で活躍しております。 また、昨年度には、大学生交流撫順市訪問団として大学生4名を派遣し、現地の大学生との意見交換会などを行い、相互理解を深めてきたところであります。 ◆1番(坂本竜太郎君) 大学生の交流となるともう少し限定的になっているというお話が今ございましたが、その大学生の世代での国際交流というものは実は非常に効果的でありまして、できればというより、ぜひとも推進していただきたいと思うわけであります。 それは、私自身の経験をもとに申し上げますと、学生同士というのは利害関係がないということがありまして、極めて純粋で、打ち解けるのに無駄な時間を要する必要がないという事実がございます。国は違えど同じ時代に同じ立場で生きている者同士でありますから、理解が早いと同時に、遠慮せずに本音の意見をぶつけ合うことができるのであります。そして、そのとき築かれた信頼関係というのは、その後もずっと続くものとなり、仮に社会に出て利害関係が生ずるようなことがあったにしても、両国の友好と個人同士の信頼関係がしっかりと基盤にあるため、まさにお互いがウイン・ウインの結果を導くことにつながるのであると思います。これからの国際交流というのは、この視点を持って一層推し進めていかなければならないのではないかと強く思う次第であります。 具体的には、後段で、これからのあり方ということでお伺いさせていただきたいと思いますが、そこで、ちょっと別な点から伺いますが、国際交流事業としてこちらから訪問するばかりでなくとも、既にこのいわき市では多くの外国人の方が活躍なされています。その一番多くは、私は留学生の方ではないかと思うわけでございます。市内の大学等で熱心に勉学に励む傍ら、一生懸命、飲食店等でお手伝いなどをたまになさったり、あるいはさまざまなイベントに参加したりと、私たちが留学生の皆さんに直接触れる機会も最近は本当に多くなっているものと認識いたしております。 これは、着実にいわきの国際化が進んでいるあかしでありますが、本市として、この留学生の方々にどのようにかかわっているのか、市内の外国人留学生に対する支援策についてお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 市内の外国人留学生に対しましては、平成4年度から、留学生の経済的負担を軽減し勉学環境の向上を図るため、国民健康保険税の基礎課税額相当の助成を行っております。また、財団法人いわき市国際交流協会では、会員の集いや市内めぐりなどを開催し、外国人留学生と市民の皆様との交流の機会を設ける一方、国際理解講座の講師として外国人留学生をお招きし、活躍していただいております。 外国人留学生の皆様には、本市を第2のふるさとと思っていただけるよう、今後におきましても、支援を行うと同時に、交流の場を設けるなどの取り組みを続けてまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) これはもう大変結構なお話を伺いました。今、いわきを第2のふるさととしてというお言葉がありましたが、本当に間違いなく彼らは、本国に帰れば日本を、あるいはこのいわきを宣伝してくださるでしょうし、このいわきでの経験を生かして十二分に御活躍なさる人材であると思うわけでございます。本市にとりましては貴重な、いわば人的財産であろうかと思います。 ただいま本市の隠れた人道的国際交流の状況をお伺いすることができましたが、それでは、いよいよこれからの国際交流のあり方についてお伺いしてまいりたいと思います。 これまでの状況を伺いましたところ、各種の国際交流事業に参加された方や本市に留学経験のある方は多数に上ると思われます。どんな形であれ、これらの方々は、本市にとって大切な人材であります。 そこで、例えば、これらの方々が、節目の年の式典ですね、例えばタウンズビルと来年25周年でしたか、そういう節目の年であったり、あるいは何らかの機会に、この本市でまた再び一堂に会するようなこと、いわば国際交流事業の参加経験者や市内の留学経験者のいわば同窓会のようなものを開催してはいかがかと思うわけでございますが、どのようなことができ得るか御所見をお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 友好都市や国際姉妹都市への派遣団の中には、帰国後、年1回程度のペースで集まりを持ち、情報交換をしているケースもあります。 海外へ派遣した市民の皆様や留学経験のある市民の皆様などの交流の場を設けることは、国際交流事業を進める上で大変有意義なものであると考えておりますので、今後取り組んでまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 中には年1回くらいのペースでという、確かに私も経験があるんですけれど、盛り上がってしまった年というのは本当にきずなが深くて、日本人同士であれ相手の国の方とであれ、続いて交流がはぐくまれていくというのを私も経験したことがあります。 今、ありがたいお言葉がありました。同窓会という形であれ何であれ、ぜひともそういった機会を提供していただければと思うのですが、なかなかこの御時勢で、個人情報の関係等々で連絡がとれないなど難しい側面もあろうかと思いますが、そのような場合は、例えば本市で主催ということで直接的でなくても、例えば民間主催の国際交流事業を応援したり、あるいは、先ほどのもうちょっと大学生の交流をしていただきたいという思いからすれば、その大学生同士の民間での交流について、本市として間接的に応援するなりかかわっていくという形があろうかと思います。 そういった観点からいたしまして、民間主催の国際交流事業、いろいろあろうかと思いますが、これへの本市のかかわり方についてお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 市内には、日中友好協会やいわき市・タウンズビル市民間姉妹都市委員会、さらにはいわきハワイ交流協会など、国際交流を進めている多くの団体がありますが、今後におきましても、民間交流団体等で受け入れた外国人の本市への表敬訪問の際の対応や、外国訪問の際の相手方自治体等への連絡・調整、さらには、協働で交流事業の実施に当たるなどの取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 具体的に行政としてのかかわり方のお示しがありました。本当にいろんなかかわり方、応援の仕方があろうかと思います。なぜ行政が応援することに意義があるのかという一例を挙げますと、先日、私どもの郷土の偉人であります星一先生の業績を顕彰するドイツからの記念碑の除幕式が、ドイツ公使も御出席くださり盛大に行われたことは、皆様御存じのことであろうと思います。その実現へ向けてプロジェクトが進む中で思わぬアクシデントに見舞われ、この記念碑自体がこのいわきの地へたどり着かないかもしれないアクシデントに見舞われたと伺っております。この民間主催のプロジェクトにおけるアクシデントの際に、最後の決め手となったのは、やはりいわき市のかかわり方の助けであったと。これによってプロジェクトが挙行できたと伺っております。 まさにその、例えば金銭的なものや人的なものでなくても、行政ならでは、あるいは行政でしか手伝うことができない、貢献することができない国際交流のかかわり方というのは多分にあろうかと思いますので、今の例がその証明でありましたし、また、その必要性も証明されたわけでございますが、何度も申し上げますとおり、これまで少なからず予算を投じて国際交流事業や留学生の支援というものが行われてきたわけですから、ある意味、有益な人材育成事業であったと思うわけでございます。これからは、表現は少し乱暴になりますが、この人材に対するこれまでのいわば先行投資を生かすべく、当時のきずなを確認できるような機会を、先ほどのお話のように提供していただくなど、さまざまな方策でもって促進していただきますことを改めて強く要望させていただきます。 さて、ここまでは人的な交流の面での質問をさせていただきましたが、これからのあり方として、もう一歩踏み込んで率直に申しますと、今のこの日本の置かれた状況に最も必要であると思われますのは、やはり経済面の実利のあること、あるいは、この地域産業に活性化をもたらすような、持続的な雇用の創出につながるような効果をもたらす現実的なあり方というのが、これからの国際交流には求められるのではないかと思うわけでございます。 そんな折、今般、渡辺市長を先頭に、我がいわき市議会から矢吹議長も加わって、経済界の方々とともに、いわき市経済視察代表団が中国撫順市あるいは瀋陽市、大連市を訪問することとなったと、その結団式が過日行われたとの報道がございました。 この内容も含めまして、これからのあるべき姿と申しましょうか、今後のこの友好都市撫順市との経済交流についてどのようなお考えかお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 近年、撫順市は、特に経済分野に重点を置いた交流を進めたいとの意向を示しており、昨年11月及び本年6月には相次いで副市長を団長とする撫順市からの経済代表団が来市し、市民向けのセミナーなどを開催したところであります。 これらを受け、本市といたしましても、先ほどお話がありましたように、撫順市との経済交流に取り組むため、今月23日から28日まで、市長を団長とし議長を副団長とするいわき市経済視察代表団を派遣し、撫順市と瀋陽市の中間地域に整備が進められております新たな経済特区である瀋撫新城や、大連市のソフトウェアパーク等の視察を行い、中国の経済開発の現況や生産現場の実情をつぶさに把握するとともに、撫順市・瀋陽市・大連市の関係者等との意見交換などを行い、今後の経済交流の礎にしてまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) よくわかりました。今回の視察団は、昨年10月定例会での我が会派の酒井議員の質問あるいは要望に対して市長みずからがこたえられ、相手方の強い御意向もあったんでしょう、その後のセミナー等のお話もございました。その強い意向もあって早速実現の運びとなったものと歓迎いたす次第でございます。どうか有意義なものとなりますよう、お祈り申し上げます。 しかし、ここで私たちが考えなければならないことは、瀋陽市と撫順市の間に新たな特区を建設するという壮大なプロジェクト、すごい、圧倒されるものがあろうかと思います。そちらを応援する、貢献できることはできる、それをもとに交流を深めるということは当然でありますが、そういったエネルギーに飲み込まれないように、やはり我がほういわき市としても何らかのいい効果を得られなければ意味がないものと思います。特に、投資をするということは、これはもう今の置かれている状況があるわけでございますが、あまり大きい声で言いたくないですが、党の代表選とやらにかまけて大変異常な状態に、きょうなどはもう、15年3か月ぶりに83円15銭でしたか、35銭でしたか、まで上昇したというこの異常な円高、加えて言えば株安という状況にあるにもかかわらず、代表選などということで、その対策が放置されっ放しであると。だからこそ、ある意味、投資するというのは確かにタイミングとしてあるのかもしれませんが、いつまでもこういうことが続くわけではないと思いますし、特に、アメリカなどがドル安政策を転換してまた強いドルなどということを言い出して新たな局面に入れば、ころっと形勢が変わるわけでもございます。それより何より、どうやったって我が国の国内需要が伸びないという内需の弱さ、消費の低迷という状況にあっては、やはり急成長を遂げるアジア諸国初め、特に中国などを、投資先というよりは海外市場という視点で目を向けない手はないわけでございます。 ですから、投資も大事ですけれども、こちらのものを買ってもらうなり、こちらの産業の振興につながるような方策を何とか見出していただきたいという思いを強くしているわけでございますが、そういった観点からいたしますと、既に本市といたしましても、あらゆるチャンネルを駆使して、本市関係の経済活動を支援していると思うんです。現在、日本の最大の貿易相手国となっておりますこの中国に進出を目指す市内の企業などへの支援について、どのような御所見かお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 中国につきましては、これまで、生産面での低廉な加工費を背景に、世界各国から工場進出が進んでおりましたが、世界最大の人口と急速な経済成長による市場拡大により、今後は世界最大の消費財市場と考えられております。 このようなことから、本市におきましては、社団法人いわき産学官ネットワーク協会と連携を図りながら、中国市場への販路開拓を目指す市内の企業等に支援を行っているところであります。具体的には、中国でのビジネス経験の豊富なコンサルタントによる中国政府の最近の経済対策、あるいは現地企業の実情などの生きた動向をテーマとしましたセミナーを開催しているほか、自社製品等のPRを目的に国内外で開催される展示会への出展費用の助成制度を設けているところであります。 今後におきましても、県の上海事務所やジェトロ福島などが実施する商談会あるいはセミナーなどの支援事業と連携を図りながら、中国進出を目指す市内企業等に対する販路開拓などの支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 非常に丁寧な支援の姿をお示しいただきました。引き続いての力強い御支援をお願いするものでありますが、市内企業の中国を初めとした海外市場の開拓を直接支援する施策とあわせまして、物流経路の充実による側面的な支援というものも重要なものであると考えております。市長も、常々、人の流れとともに、物の流れ、物流も重要であると主張されているとおりでございます。 そこで、このたびの重点港湾にも選定されました国際貿易港である我が小名浜港における海外ポートセールスに関する取り組みについてもお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 小名浜における海外ポートセールスにつきましては、市長が会長を務めます福島県小名浜港利用促進協議会におきまして、これまで、平成8年の中国を皮切りに、シンガポール・インドネシア・韓国など7カ国を訪問し、海外に本社機能を有する船会社に対して小名浜港の外貿コンテナ定期航路の維持・拡充を要請してきたほか、海外の現地企業を対象に開催した小名浜港セミナーにおいて、小名浜港を利用することによる優位性などをPRし、集荷促進を図ってきたところであります。 今後におきましても、南東北の経済活動を支える国際貿易港として、定期航路の増便・延伸などによる小名浜港のコンテナサービスの利便性の向上に努め、市内立地企業を初め、利用企業の物流効率化が図れるよう、ポートセールスに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) ぜひとも、この我がいわき市の宝であります小名浜港を積極活用したさまざまな取り組みをお願いしたいわけでございます。初日の鈴木智議員の質問の中で、やはり今の政権の不安定なところというか、理解のない様子が質問のやりとりでありました。そういう次元ではないんですね。もっと新しい観点から、地域産業の振興、あるいは国内経済の浮揚、そして、当然、国際交流という観点も含めまして、世界に恩恵をもたらすようなかぎを握っている港であるわけでございます。引き続いての当局のお働きを心からお願いする次第でございます。 以上、国際交流についてお尋ねいたしてまいりましたが、とにかくこれからは、重複しますが、これまでの人的財産を生かしながら、さらにその分野も進めていただいて、その上で、経済や雇用などの地域の活性化にも確実に貢献するような施策展開というものを、全庁挙げて強く繰り広げていただくことを切にお願いする次第でございます。国としても、外交は外務省だけではない、経済産業省や国土交通省、農林水産省、文部科学省、本市でもALTさんに御尽力いただいておりますが、あらゆる省庁にかかわってきます。本市におきましても全部局挙げてと言っても過言ではないと思いますので、ぜひとも全庁的な協力関係を構築していただいて、新たな、世界の中のいわきという位置づけを確立するための御尽力をいただきたいと思います。 続きまして、大きな2番目の項目は、農業行政についてであります。 1点目は、国の農業制度についてお伺いいたします。 先ほども触れましたように、この国難にあってでもなお党の代表選挙を演じているのが与党民主党でありますが、その争点の1つは、昨年の総選挙の時のマニフェストを守るか否かということが争点の1つになっているそうです。大分、約束をほごにされたと申しましょうか、やはり我々からすればできるわけがなかったと言える項目が多い中で、唯一と言っていいくらい、強引に断行されたのが米の戸別所得補償制度であります。あくまでも自由化を前提とした話でありまして、米価との差額の生産費、かかった分だけを補てんするという話でありまして、決して所得補償や農家の皆さんの収入がアップするという話では絶対ないわけでございますが、その名称からして詐欺的な制度であると断じざるを得ません。しかも、この制度に加入さえすれば、等しく日本全国の農家の方の農業経営が安定するんだというイメージばかりが宣伝され、実際には、農業経営を本気で考えている担い手の方の経営意欲を低下させてしまうのではないか、それどころか、農家の方々のみならず、そういったセンセーショナルなマニフェストをぶち上げることによって、国民全体をだましているのではないかという危惧の念を持っておりました。 さて、その戸別所得補償制度、今年度、平成22年度におきましては、そのモデル対策事業が実施され、その加入申請が6月30日に終了して、国の速報値が既に一部で報道されましたが、その現状を確認する意味で、まず、戸別所得補償制度の全国の加入申請状況についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農林水産省が本年7月末日現在で公表しました戸別所得補償モデル対策の加入申請状況は、全国の加入件数が131万9,845件となっており、平成21年度の水稲共済加入件数に対する加入率では75.2%となっております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 続きまして、その戸別所得補償制度の県内の加入申請状況についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 福島県内の加入申請状況につきましては、同様に、加入件数は3万6,916件、加入率では50.6%となっております。 ◆1番(坂本竜太郎君) いよいよ、その戸別所得補償制度の本市の加入申請状況についてお伺いいたしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 本市の状況につきましては、同様に、加入件数は921件、加入率は15.0%となっております。 ◆1番(坂本竜太郎君) だんだんと率が下がってきましたけど、がくんと下がりました。これは、全く制度として機能しているのかどうかという、本当に危惧が当たってしまったわけでございますが、我がいわき市におきましては本当に低い、だれがどう見ても低い、どうしてしまったのか。これは、決して本市サイドに落ち度があったものとは到底思えません。 そこで、これまでの本市における戸別所得補償制度の推進活動、なさってきたと思いますが、これについてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 本市の推進活動といたしましては、国・県・市・JAなどで構成するいわき市水田農業推進協議会の緊密な連携によりまして、市内各地に出張相談窓口を開設し、制度の周知や加入促進に向けた申請書の作成支援等の推進活動を行ってまいりました。また、いわき市公式ホームページや、いわき市農業情報センターのホームページ等の広報媒体を利用しまして、加入推進に向けた広報活動に努めてきたところであります。 ◆1番(坂本竜太郎君) 関係機関等が協力してわざわざ出向いて、伺えば手とり足とり申請書の書き方まで御指導なさったという、広報もしっかりしたという、本市としては推進活動を十分実施されたものと理解できます。政権交代後、ごくごく限られた時間内での周知作業、そして煩雑な事務作業等、その多大なる御労苦をお察し申し上げるわけでございますが、その上でも、この本市における低い加入率の要因について分析があろうかと思いますのでお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 現在、国におきまして、本年度実施しております米のモデル対策に係ります公式の総括等はなされておりませんので、いわき市として確たることを申し上げることはなかなか困難なところではございますが、まず、本市の加入率が低い主な要因といたしましては、国の農業政策転換に対する農業者としての戸惑い感、あるいは、制度上の加入要件とされております米の需給調整への取り組みが不十分であること、さらには、本市農家の経営規模が小さいことから、加入しても経済的メリットが少ないこと等々が考えられるところでございます。こうした農家の皆様の心理的な側面、あるいは本市農業特有の構造的な面や、そのモデル対策に係ります経済的・制度的な側面など、さまざまな要因というものが相まって低い加入率になったのではないかと今の段階ではとらえております。 ◆1番(坂本竜太郎君) まさに、沖縄の普天間基地の問題ではありませんが、精神的に戸惑わせると、市民を戸惑わせる、国民を戸惑わせる、そして、聞こえはよかったけれども、裏を返せば加入要件がいろいろあると。それから、実情に見合わない、経営規模の実態からして。日本全国どこの農家の皆さんでもみんな所得がアップするんだという、こういうものを振りまいたという、この罪は大変大きなものと断ぜざるを得ません。欺瞞でございます。それどころか、実はその裏で、ほかの目玉マニフェストが全く実行されない中で、何で早くこれはぶち上げ実行できたかということをお伺いしましたところ、財源に全く余裕のない中で、この戸別所得補償制度を強行できたのには、その裏で、農業を振興する上で重要な農地の改良や農業水利施設の整備を行うための農業農村整備事業というのがありまして、この予算を削減したんだと、それを戸別所得補償制度に振り分けたんだということを伺っておりますが、この農業農村整備事業についてどのような状況であるかお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 本年度の農業農村整備事業の事業費につきましては、国レベルにおきまして、いわゆる公共事業費に対する政策評価等を実施し、一定の役割を終えた事業制度の廃止や、事業の再構築などによりまして、対前年比36.9%と大幅に事業費が削減されておりますが、新たに創設されました交付金事業によりまして、農林水産省関係予算における公共事業費の対前年比は65.9%となっております。 この結果を受けまして、福島県におきましては、地域の創意工夫を生かした農山漁村地域の総合的な整備を進められる交付金を積極的に活用し、優先度の高い事業への配分を行ってございます。 現在、本市において、この農業農村整備事業を実施している地区につきましては、おおむね継続地区でありますことから、これらの削減の直接的な影響は少なかったものと認識してございます。 ◆1番(坂本竜太郎君) 先ほどの低加入率の要因についても、今の御説明についても、随分紳士的な御説明、私のような批判的な態度ではなく、随分実情を御説明いただいたと受けとめてございますが、対前年比36.9%だったということは、裏を返せば、63.1%もがくんと削減したと。それは、確かに事業の必要性がなくなった部分がある、継続事業の部分にのみしか必要ないというお話であると思うのですが、これも裏の裏を返せば、逆に言えば、戸別所得補償制度のようないい加減なばらまき政策ではなくて、ずっとこの農業農村基盤整備事業が継続されてきた、この農業政策に対する継続性とか一貫性がこの数字にある意味あらわれていると。それが、一貫してやってきたから役目を終えた部分もあるし、継続する部分にはしっかり予算を振り分けなければならないという証明にもなったのではないかと私はとらえさせていただきたいと思います。まさに、そこに地域性というのを加味して農業政策を進めていかなければならないと思うわけでございます。 そういった面を念頭に置きながら、2点目といたしまして、国がそんな状況でありますから、本市の農業振興策について伺ってまいりたいと思います。 これまでの答弁の中で、現在国が進めております戸別所得補償制度というものは、本市の農業が置かれている実情には全く合致していないということが浮き彫りになってきたと考えられます。 そうであるならば、本市の総合計画や、あるいは市農業・農村基本計画に位置づけられておりますように、本市独特の気候風土や特色、中山間地域の実情に応じたきめ細やかな農業振興策の展開がますます重要になってくるものと思われます。かつて、去年の10月議会で、いわきは日本の産業構造の縮図であるという表現を使わせていただきました。すなわち、本市において兼業農家の方が多いのが特徴であるということは、その構図からすると当然なことであります。しかしながら、それぞれの御自身の農地に誇りを持ち、先祖代々の土地に誇りを持ち、その農産品の品質も、手抜きをせず、高い品質を保持しているわけでございます。 この本市の特徴を生かしていくには、さらなる経営規模の拡大など経営基盤の安定、そして、これも前回取り上げさせていただきました、若い新規就農者の支援と意欲ある担い手の方の育成というのが大変重要であろうかと思います。そのためには、農地を初め、用排水路・取水堰・ポンプ場・ため池、先ほども質問がございましたが、この基幹施設の整備というものが前提となるものであると思います。 そこで、国が、片や効果のないばらまき、片やその実情を無視してというか、実態を事業仕分けした結果なのかわからないですけれど、がくんと予算をカットするという、こんなアップダウンの激しい予算の配分をしている中で、改めて農地の改良や水利施設の整備の必要性についてお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 農地の改良につきましては、農産物の生産性及び品質の向上を図るため、営農形態や地域の特性に応じた生産基盤の整備が必要であると考えております。また、水利施設につきましても、農業用水の安定的かつ効率的な供給と適正な排水は農業を営む上で不可欠であり、水利施設の整備及び既存施設の計画的な補修や更新は必要であると認識しております。 したがいまして、市といたしましては、今後とも、引き続き国・県の動向を十分に注視しながら、年次計画によりこれら事業には対応してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) まさに自然相手の営みでもございますし、未来永劫続けるためには絶えず改良や改修を続けなければいけないという、ただいまの必要性にかんがみまして、本市におけますいわば基盤整備、圃場整備の推進方針というものがあろうかと思いますのでお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 圃場整備事業は、担い手の育成・確保及び農地の利用集積や経営規模拡大を図るため必要となる生産基盤の整備及び生活環境の整備を一体的に実施できる効果的な事業であると認識しております。現在、本市の圃場整備率につきましては、県内の他市町村と比較しますと低い状況となっておりますことから、市農業・農村振興基本計画にこれを位置づけ、重要施策として積極的に推進しているところであります。 今後とも、引き続き、未整備により生産性が低く農業経営や意欲が阻害されているなど、受益者のニーズがある地区を重点的に、当該事業の推進を図ってまいる考えでありますが、それら実施に当たりましては、事業の制度として受益者の負担というものが伴いますため、圃場整備に関する理解を深めていただきながら事業採択に向けて熟度を高めるといった努力をしてまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) その受益者負担等の原則にのっとりながら、しかし、効果的であるというお話のとおり、必要なことはしっかり進めていくんだという力強い推進方針を伺うことができました。先ほどの木田議員の質問の中でも、耕作放棄地の対策、あるいは新たな農地法における農地の利活用といった質問をなさいました。この観点からも、この基盤整備というのはやはりますます必要だなという認識をいたしたところでございます。 それと同時に、この基盤整備が農業生産活動において最も重要であるということが今確認されましたが、当然ながら、それに加えて国土の保全、生態系の保全、あるいは景観の維持等々多くの効果をもたらすものでございます。これに、先ほど来の意欲ある担い手の方々の育成というものをセットにして、その上で、本市独自の、独特の実情や特徴を生かした農業振興策というのを展開していただければなと思うところでございますので、ここで、本市独自の農業振興策について、どのように推進していらっしゃるのかお伺いしたいと思います。 ◎農林水産部長(鈴木正一君) 本市におきましては、温暖かつ冬期間における日照時間の長さ等の恵まれた気候条件や、広い市域における標高差と消費地である立地条件等を生かし、基幹作物であります水稲・大豆等の土地利用型作物、トマト等の施設園芸を柱にしまして、野菜・果樹等の生産振興を関係機関・団体との連携のもとで、国・県等の補助事業を戦略的に活用しながら、多様な担い手の育成や生産振興に努めてきたところであります。 今後も、本市独自の農業振興策であります第二期新農業生産振興プランにより、農業者の生産体制の整備やいわき産農産物のPR・販路拡大、そして、地産地消などの取り組みの強化や新たな農産物加工品の開発など、各種事業を重点的に展開し、個性と魅力あふれる本市農業の確立に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) これまでの取り組み、それから新たな試み等々の力強い御答弁、ありがとうございました。 とにかく、国があのような状況でございますから、これに振り回されることなく、市長も常々力説されておられますし、また、現在策定作業中の総合計画の新しい基本計画においても地産地消が大きな柱として位置づけられておりますように、オールいわきの観点から、サンシャインの恵みを受けた本市農業独自のダイナミックな施策展開がなされ、このサンシャイン・いわきが実現に近づきますことを期待して、次の質問に移りたいと思います。 最後の大きな項目は、植田駅前の活性化支援についてであります。 本来は南部地区中心市街地の活性化支援についてとすべきところでありますが、すなわち植田駅前のことでありまして、今回は、この植田駅前とその周辺商店街の取り組みを通していわき市内各地の中心市街地活性化につなげていただきたく、質問を進めてまいりたいと思います。 早速でありますが、駅前商店街の取り組みについてでありますが、昨年の10月12日、前の自公政権下における平成21年度地方の元気再生事業として、植田駅前に、いわき市南部地区中心市街地活性化協議会が中心となって進めましたおっぱいがいっぱい!「街なかコミュニティ託児」プロジェクトというものによります街なかコミュニティルームうぇはうすというのが、植田商店会歩行者天国の開催に合わせてオープンいたしました。この施設は、今日本全国で直面しております喫緊の課題、例えば子育ての問題、雇用の問題、それからシャッター通りをどうするんだという3つの課題に対して見事にチャレンジし得る、同時に、この三者を克服とは言わなくても、それに立ち向かっていける画期的な試みでありました。 しかし、折しも8月30日の政権交代直後に、10月12日にオープンしたんですが、オープン直後、いわゆるかの事業仕分けの第一弾で、早くも事業廃止と相なってしまったわけでございます。もちろん、いつまでも補助金頼みでこのプロジェクトを進めようとしたわけではありませんが、それにいたしましても、このオープン直後のこの仕打ち、いささかショックを受けました。私も、初めてオープンセレモニーにこういう立場で出席させていただいたところでございますし、私の生まれ育っているところの駅前の試みでございますから、残念でございました。地域の方々の惜しむ声も上がりました。それより何より、こういう時代にあっても、いろいろ知恵を出し合ったり御苦労を重ねられた関係者の皆さんの無念さというものがたまりませんでした。 間違いなく1つの実績とはなりましたし、モデルケースにもなりました。さらに、副産物として、年度末に発行されました、東北経済産業局との共作でございますけれども報告書がございます。やはり、この深刻な現状分析と取り組み、そして、この早速上がった成果について、極めて充実した書物が残されました。それが形として残された点だけでも、大変有意義なものであったと思います。 ここでも現政権によるしわ寄せの実例に触れさせていただいたわけでございますが、これに対しまして、このプロジェクトより少しさきに始まりました空き店舗対策事業、いわゆるドンワッセうえだというプロジェクトがございまして、これはもう本当にいわき市の熱心な御支援もありまして、現在、少しずつではありますが着実に定着して、さまざまな試みがなされております。このプロジェクトも、決していつまでも補助金に頼るというわけではございませんで、自立運営に向けて奮闘しているところでございます。 そこで、このあるべき自立の道を見据えた空き店舗対策事業ドンワッセうえだへの今後の支援について、どのような御所見かお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(前田直樹君) ドンワッセうえだは、南部地区中心市街地活性化協議会が、日常の買い物に支障を来している高齢者を中心とした地域住民のニーズに対応するため、植田駅前の空き店舗を活用した共同ショップとして昨年7月に開設したものであります。ドンワッセうえだでは、地場の新鮮な野菜や総菜、各地域の特産品、さらには、地元商店の商品等の販売や宅配を通じ、地域住民の生活を支援するとともに、街なかの休憩所として地域住民の交流促進を図るなど、新たなにぎわい創出に取り組んでいるところであります。 市は、これまで、商店街振興事業補助金等を活用し、店舗の開設及び運営に対する支援を行ってきたところでありますが、こうした地域の主体的な取り組みは地域活性化のモデルとなるものでありますことから、今後におきましても、販売力の強化や宅配サービスの事業拡大に向けたコンサルタント等の専門家の派遣、集客力の向上に向けたイベント等に対する補助など、ドンワッセうえだの持続的な運営に向け、引き続き支援してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 本当に市当局の方々と地元の方々との見事な信頼関係が築かれておりまして、今お話がありましたような、ひとり暮らしのお年寄り宅に宅配サービスをするといった際にも、市で持ち合わせている、アドバイスできることを御指南いただいたりと、本当にこの地域の今かゆいところに、私も太ってしまって手が届かないところがあるんですが、かゆいところに手が届くような、地味ではありますけれどもありがたみがわかるというか、必要な試みが次々となされている。お言葉にありましたように、モデルケースと間違いなくなると思いますので、こういったものを市全体に波及、これがすべてではないにしても、1つのモデルケースとして、このいわき市の活性化につなげていただきたいと思います。 今、今後の支援についても心強いと同時に、自立運営の必要性を改めて認識した次第でございます。このように、地元の商店会を初め、地域の人々がいろいろ助け合って、このプロジェクトを成功させるべく頑張っております。同時に、地域の生産者の方や市内の9つの商工会に加盟の方やお店も出店するなど、まさにオールいわき体制で、植田だけではないんです。勿来地区だけではないんです。南部だけではないんです。オールいわき体制で、それぞれの活性化につながるよう取り組んでいるということを強調させていただきたいと思います。 そんな中、この記録づくめの猛暑のこの夏、8月15日・16日ですか、恒例の盆踊り大会が、ドンワッセうえだの目の前であります植田駅前広場で2日間開催され、大盛況でございました。このイベントも、地元のうえだ商店会や植田料飲店組合の皆さんが実行委員会を結成し、御尽力いただいたわけでございますが、この成功の陰に、終わった後に残ることとして、年2回開催しております歩行者天国のときなども同じなんですが、どこからこの人出が集まってくるんだと。普段は全く人通りがないのに、1回イベントをやるとすごい、想像以上の人が集まって来るという現実に直面するわけでございますが、ほかの地区でも同様の状況があろうかと思います。 そのことから、年にあと何回か、頻繁にはできません、いろんな事情もあります、体力の問題もあります。経営の体力ですね。年にあと何回かは植田駅前広場でそういったイベント等を開催し、さらなる街のにぎわいの創出、そして地域の活性化に結びつけていきたいという願いが地域の方々にあるのが実情でございます。特に、駅前という位置は、その地域の方のみならず、地域外からおいでになる方々にもわかりやすいということが1点、それからまた、交通手段として各種公共交通機関を利用できるという利点もございます。 そういったことから、このような地域独自の取り組みに対します駅前広場の利活用について、市の御所見をお伺いしたいと思います。 ◎都市建設部長(田久三起夫君) 駅前広場は、鉄道を初め、バス・タクシーなどの駅前に集中する交通を処理する交通空間としての役割や、買い物客・待ち合わせなどの人々の交流、さらには、都市景観を形成するなどの環境空間としての役割を担っており、鉄道事業者と一体となって整備・管理運営を行う都市施設でございます。 おただしの植田駅前広場を活用したイベント等の開催につきましては、バス・タクシーなどの交通事業者の協力を得て、ただいま議員仰せのとおり、地域の恒例行事である盆踊りが昨年から開催されているところでありまして、市といたしましては、今後とも、にぎわいの創出や活性化に向けた取り組みなどに対し、地域の皆様の意向等を十分に踏まえ、当該広場の利用について適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) ぜひともこの地域の熱意と事業の公共性にかんがみて、御理解・御支援をよろしくお願いしたいと思います。 このように、地域の熱意がありまして、イベント等のスペースも確保された場合、今度の総合計画基本計画にもありますように、商店街全体の共同イベントやあるいは共同事業などの取り組みへの支援についてどのようにお考えかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(前田直樹君) 地元商店会が街なかのにぎわい創出や商店街の活性化を図るため実施してきました共同イベントや共同事業等に対しては、これまで、商工業活性化事業費補助金を活用し支援を行ってきたところであります。 植田駅前商店街につきましては、地元商店会はもとより、地域の生産者等と連携し実施している歩行者天国や街なか市などのイベントに対し、当該補助金を交付するなどの支援を行ってきたところであり、今後におきましても、街の魅力の向上やにぎわいのある商店街づくりに向けた地域の主体的な取り組みに対し、引き続き支援してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) 引き続いての御支援、国はどうあれ、しつこいようですが、この地域の熱意とそれぞれの特色を生かした取り組みへの十分かつ健全な支援を、市内全域にてお願いしたいと思います。 次に、安全・安心なまちづくりについてでありますが、同じく植田駅前というよりはまさに駅の中、テナントとして、テナントという表現は何ですけれども、駅構内に、いわゆる民間交番である植田駅前ふれあい広場が復活いたしました。活動については皆さん御承知のとおりでありまして、最近では、ちょっとお酒の入った男性が駅の駐輪場に自分の自転車がないことに腹を立てて、このふれあい広場のガラスドアをけって破損させたというニュースがありましたが、逆に言えば、この施設がそれだけ認知されているというあかしだろうと思います。 そして、そこで活躍いただいている方々は、まさに地域の防犯協会や区長さんやPTAの方、学校関係の方、お忙しいのに時間を調整して、このボランティアに当たってくださっております。本当にこの夏、そんな中で何に悩まされたと言えば、この暑さには相当悩まされておりまして、施設には空調設備がない、あるいはドアをあけてみても風が通らないといった状況で、ボランティアで、熱意で時間を割いて地域の皆さんのために頑張ってくださっている皆さん自身の体がまいってしまうような状況に置かれているわけでございます。 この施設はあくまで民間施設とはいえ、これだけ公共性の高い役割を果たしている施設におきまして、最低限の、こういう特殊な事情においては、何らかの最低限の健全な環境を提供し得る方策はないものでしょうかという意味で、勿来の関や湯本駅前の交番も同様のことがあってもあり得るという前提で、一般論としてで構いませんので、何らかの方策がないものか、民間交番植田駅前ふれあい広場への環境面での支援についてお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 民間交番うえだ・ふれあい広場は、地域の安全・安心拠点施設として、地域の防犯活動等に大きな貢献をしているものと認識しております。うえだ・ふれあい広場への環境面での支援につきましては、民間防犯団体等の育成支援を行う県や市の各種補助金等の活用が図れないか、検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) もう1つ、この議場でも多くの議員さんに参加していただいて救命講習をやりました。私も前回の議会で取り上げさせていただきまして、一般の方でも数多く受講されている方がいるんですが、何せ人通りの多い駅前であって、そういう拠点の施設でありながらAEDがない。JRの植田駅にもない。何か事が起きたときに、何もできなかったのでは大変悔いが残る。やる技術があっても、やる機材がなくては。 確かに、いわき市は公共施設に順次配置するという姿勢をとっているわけでございますが、何とかその、あえて言えば準公共的施設として、それだけの役割を果たしている施設に対して、AEDの配置、何らかの方策がないものかお伺いしたいと思います。 ◎市民協働部長(佐藤隆君) 植田駅前の民間交番等へのAEDの配置につきましては、植田駅が多くの市民等が利用する施設であること、また、駅前広場では市民参加のイベント等も開催されますことから、植田駅を中心として、この施設につきましてはAEDの設置が進められるべき民間施設であるかなと考えております。 今後、関係するJRや関係団体と協議し、AEDの設置についても検討してまいりたいと考えております。 ◆1番(坂本竜太郎君) ただいまの御認識、大変ありがとうございました。ボランティアの方もやりがいを感じて頑張ってくださると思います。 以上で質問は終わりますが、繰り返しますが、本当に国の状況が不安定でありますことから、この我がいわき市におきましては、何とか、渡辺市長、腰を据えた本市独自の施策の展開、あるいは地域の今のような熱意を酌み上げ、そして反映させていただきますことを強くお願い申し上げ、サンシャイン・いわきの実現へ向けて、全庁挙げて、我々も含めて、より一層みんなで頑張りたいと思いますので、何とかその意をお酌み取りいただきまして、市政進展につなげていただきたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手) ○副議長(磯上佐太彦君) ここで、午後3時40分まで休憩いたします。               午後3時31分 休憩---------------------------------------               午後3時40分 再開 △福嶋あずさ君質問 ○副議長(磯上佐太彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。8番福嶋あずさ君。          〔8番福嶋あずさ君第二演壇に登壇〕 ◆8番(福嶋あずさ君) (拍手)8番創世会の福嶋あずさです。9月8日、本日最後の登壇となります。どうぞよろしくお願いいたします。 私ごとですが、4月9日に第二子を出産し、はや5カ月がたとうとしています。出産間近の2月議会では、体調不良により、通告したにもかかわらず質問を休んでしまったこと、この場をお借りいたしましておわびいたします。 また、いわき市議会会議規則の会議の欠席理由に出産が追加されました。女性議員の皆さんはもちろん、男性議員の皆さんも奥様の出産の際に役立つというか、この中から該当する方が出てくれればいいなと思っております。そして、このたび、この議会棟に赤ちゃん休憩室をつくっていただきました。このように、妊娠中、出産直後、そして子育て中の現在、執行部の皆様、議会事務局の皆様、そして、議長を初め、ほかの議員の皆様にたくさんの御配慮をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。 冒頭、私ごとばかり申しましたが、この1つの命の誕生をきっかけにも、ここいわき市が子育てにももっと優しいいわきになるよう、以下通告順に従い、一般質問いたします。 大きな1番目は、子育てにも配慮した生活環境の整備についてです。 子育て中の皆さんが安心して外出できる環境を整えるのは、子育て中の方にいいことだけでなく、子育て中の方が孤立せず、地域や周りがオープンに見守れるきっかけになるかと思います。 それでは、初めに、公共施設等のベビーベッド等の設置についてです。 現在の公共施設におけるベビーベッド等の設置状況についてお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 市の公共施設におけるベビーベッド等の設置状況につきましては、本年8月1日現在で申し上げますと、ベビーベッドまたはおむつ交換台が69施設154台、授乳室が12施設14室、託児コーナーが1施設1カ所となっております。 ◆8番(福嶋あずさ君) いわき市では、子供を取り巻く社会情勢の変化に対応し、子供を持ちたい人が産み育てやすい社会の構築を図り、子供たちが健やかに生まれ育つため、また、子供の幸せを第一に考え、子供の利益が最大限に尊重されるよう配慮しながら、総合的な子育て環境の整備を図ることを目的に、このたび、新・市子育て支援計画後期行動計画を策定しました。 その中の、子育てに配慮した生活環境の整備、安心して外出できる環境の整備についての取り組みの中で、公共施設などにベビーベッド等を設置していくとありますが、どのような目標を立て取り組んでいくのでしょうか。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 市の公共施設におけるベビーベッド等の設置については、数値目標の設定はしておりませんが、利用者が多く必要性の高い施設につきましては、これまでも、県の人にやさしいまちづくり条例に基づき、ベビーベッド・ベビーキープ・授乳室等の設置に努めてきたところであり、今後におきましても、必要に応じ設置を検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 以前、塩田議員も紹介しておりましたが、赤ちゃんを抱え行動範囲が狭まりがちな親の外出を支えようと、各地の自治体が授乳室などを備えた公共・民間施設を登録し紹介する赤ちゃんの駅事業が全国に広がっています。自治体によっては、数値目標も立てているところもあるようです。赤ちゃんの駅事業となるのか、名前はどうであれ、いわき市にもこの事業が広がることを期待しています。 公共施設の中でも、より人が集まる施設の1つが、この隣にあります本庁舎です。現在は、ベビーベッド・ベビーシートの1台の設置となっているようですが、まずはこの本庁舎から整備推進すべきと考えます。議会棟にも、授乳室、赤ちゃん休憩室が整備されました。本庁舎への、授乳室、赤ちゃん休憩室を設置することに関しての本市のお考えをお示しください。 ◎総務部長(木村清君) 本庁舎におきましては、これまで、市民の皆様が多く訪れます1階市民ホールわきにベビーベッドを、また、1階西側多目的トイレ内におむつ交換台を設置するなど、施設利用者の利便性の向上に努めてきたところでありますが、授乳室の設置につきましては、新・市子育て支援計画後期行動計画を推進する観点から、現在、設置場所等について検討を重ねているところでございます。 ◆8番(福嶋あずさ君) 使う人がたくさんいるかどうかはさておき、ぜひそういった優しい施設になるように願っています。 長野県松本市では、この赤ちゃん休憩室・授乳室と子供たちのプレイコーナーがあるそうです。プレイコーナーというのは1階正面の市民ロビーにあり、1階は市民課の窓口、市民の皆さんが各種届け出や証明書の交付など手続きに来て待っているそうです。その市民ロビーのいす席に隣り合って設置されているのがこのプレイコーナーで、少しの時間かもしれませんが、飽きずに子供たちが待てるということです。こんな取り組みも、子育て中にはうれしいサービスだと思います。こちらも、安全面を考慮しながらぜひ御検討いただければと思います。 さて、次に、子育てバリアフリーの推進についてです。 新・子育て支援計画後期行動計画、子育てに配慮した生活環境の整備、安心して外出できる生活環境の整備についての取り組みには、子育てバリアフリーの推進もありますが、具体的にはどのような取り組みを目指しているのでしょうか。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 新・市子育て支援計画後期行動計画に位置づけている子育てバリアフリーの推進につきましては、子育て中の保護者が安心して外出できる環境づくりに努めていく必要があることから、外出先でも気軽に赤ちゃんのおむつがえや授乳ができるように、公共施設でのベビーベッド等の設置促進や、保育施設の活用について検討するとともに、民間施設でのベビーベッドや授乳室等の設置状況についても、情報の収集や市民の皆様への情報の提供について検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 民間の施設や保育施設などのお話も出ましたが、いわき市全体での子育てバリアフリーの推進について、民間施設との連携・協力はどのように考えていくのでしょうか。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 子育てバリアフリーの推進を図るためには、施設整備とあわせて、地域社会全体で子育て家庭を支えていくといった意識の醸成が肝要であることから、引き続き、市民の皆様に広く啓発活動を展開するとともに、設置スペース等の問題もありますが、民間の施設におけるベビーベッド等の設置について、民間事業者に働きかけてまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 大型店舗などでは、赤ちゃん休憩室がとても充実してきました。先日、私も、子供を連れ1日中出かけたとき、授乳の時間となり、1つ寄りたい施設があったんですがそこには赤ちゃん休憩室が設置されているかどうかわからず、そこへは次に行くとして、赤ちゃん休憩室が設置されている施設へ行きました。私が行ったときも、4組の親子がおむつ交換・授乳をしていたんですが、私がおむつ交換・ミルクをあげている間も赤ちゃん連れの方が次から次と訪れ、およそ20分の間、延べ10組の親子と休憩室で会いました。大変込み合っていた印象です。 そこで、子育て中の方が気軽に立ち寄れ、おむつ交換や授乳などができる施設がわかる手段というのにはどのようなものがあるかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 福島県が開設しているウェブサイト、ふくしまエンゼルネットに、公共施設やショッピング施設等におけるベビーベッド・授乳室・託児室等の設置状況が県内のエリア別に示されており、本市の状況についても掲載されております。また、民間で開設しているウェブサイトの中にも、ベビー・キッズスペース等の設置状況が示されているものがあります。 ◆8番(福嶋あずさ君) 私もそのネットを拝見させていただいたことがありますが、大分古いような感じになっておりますので、ぜひリニューアルしていただきたいと思い、今後、気軽に立ち寄れ、おむつ交換や授乳ができる施設などをたくさんの皆さんに周知するために、どのような考えがあるのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 市民の皆様への周知方法といたしましては、ベビーベッドなどが利用できる施設の市ホームページへの掲載やマップの作成、さらには、フラグなどの当該施設への設置などが効果的な手法であると考えられますが、その実施につきましては、今後、検討してまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) ぜひ早急な対策をとっていただければと思います。子育て中の方が、限られたところだけではなく、気兼ねなくいわき市すべてを楽しめる、そして利用できるよう工夫していただきたいと思います。 さて、最近、イクメンやソフリエという言葉を、目に耳にするようになりました。皆さんも御存じかと思いますが、イクメンとは、育児を率先して積極的に行い育児を楽しむ男性のことです。女性雑誌などでも取り上げられ、イクメンがおしゃれでかっこいいという感じで紹介されることもあります。ソフリエというのは、孫育てをきちんとできる祖父、おじいちゃんに与えられる資格です。共働き世帯がふえたことや、仕事人間だった団塊世代が、自分の子育てはあまりできなかったが子育てにかかわる時間に余裕を持ったことで、子育てにかかわるおじいちゃんがふえたなどでできた資格のようです。 このように、子育ては男女問わずより進行しています。いわき市も、第2次いわき市男女共同参画プラン素案を出しました。この中にも、家庭における家事や育児などについて、性別役割分担の意識の見直しを促しとあります。子育て支援計画後期行動計画の中にも、男女共同参画による子育ての推進もあります。 そこで、公共施設におけるおむつ交換台等の男性・女性の専用スペースへの設置状況と共用スペースへの設置状況についてお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 市の公共施設における設置状況につきましては、本年8月1日現在で申し上げますと、おむつ交換台は、男性専用スペースに4施設9台、女性専用スペースに18施設27台、共用スペースに58施設118台で、ベビーキープは、男性専用スペースに9施設29台、女性専用スペースに15施設47台、共用スペースに8施設11台となっております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 以前、男性が子供を連れて出かけたときにおトイレに行くとき、子供連れで大変困ったという話を聞いたこともあります。ぜひ均等な設置状況になるように願っております。 男女問わずに子育てできる環境を整えるため、本市はどのようにお考えかお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 男女を問わず子育てのできる環境の整備につきましては、男女共同参画の観点からも、家庭における家事や育児等について性別役割分担意識の見直しを促し、家族全員で協力し合う環境づくりを進めるため、若い親・働き盛り世代・団塊世代向け等のライフステージに応じた講座を開催するなど、意識の啓発を図るとともに、育児・介護休業制度の普及や父親の制度利用の促進及び乳児保育、病児・病後児保育などの保育対策の充実等に努めることが必要であると認識しております。 ◆8番(福嶋あずさ君) これから整備していく部分もたくさんあるこの子育てバリアフリーには、ぜひ今のように男女共同参画を積極的に取り入れ、実行していただきたいと思います。 話はそれてしまうかもしれませんが、児童虐待のニュースで私はよく心を痛めます。虐待してしまう背景には、子育てで孤立してしまい、すべてを背負い、はけ口がなくなり逃げ出す、そして子供へ向かうということもあります。もちろん親に責任はありますが、生まれてきた命は大切な命です。児童虐待から子も親も救うために、周囲でたくさんの人が子育てに携わり、オープンに見守れる環境をつくっていかなければならないと思っております。 それでは、次の質問に移ります。大きな質問の2番目は、安心・安全な出産のためにです。 いわき市の出産の環境は、決して本当に安心だと言えるものではありません。里帰り出産の困難さなど、現場から、10年後、いわき市で出産が困難になるのではと心配する声も聞いています。そのためにも総合磐城共立病院の産婦人科の充実を望む声も届いております。 以前、この子宮頸がんの質問をした際にも、女性の命を守ることはもちろん、婦人科医師の負担軽減の観点からも質問いたしました。共立病院婦人科では、子宮頸がんを少しでも減らすために、独自でこのようなチラシを作成し配布しているようです。検診とワクチンを促す内容が掲載され努力されています。10年後、いわきでの出産が困難とならないため、少しでも私たち市民にできることを推進するために、また、市民の皆さんが、自分の、そして愛する人の命を守る意味でも、以下、質問していきます。 1点目は、子宮頸がんの予防・早期発見について、いわき市議会でも多く取り上げられ、昨年度は、子宮頸がんにおいても無料クーポンの送付開始、事業所へのがん検診のPR、セミナーの開催など、さまざまな取り組みがなされました。また、子宮頸がんは、新聞・テレビなどでも多く取り上げられるようになりました。 それでは、昨年度の受診率をお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 昨年度の子宮頸がん検診の受診率は20.1%となっており、前年度と比較して7.4ポイントの増となっております。 このことは、無料クーポン券の送付や子宮がん予防講演会の開催といった受診率向上のための取り組みの結果、市民の皆様に子宮頸がん検診の重要性が徐々に浸透してきていることによるものと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 皆さんの努力もあり、20.1%と受診率も上がったようです。もっともっと上げなければいけないと私も思っております。やはり最も重要なのは、その中でも若年層の方々の受診率だと思います。 次に、昨年度の20代・30代についての受診率をお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 昨年度の子宮頸がん検診の受診率につきましては、20歳代は28.8%で前年度と比較して16.8ポイントの増となっており、また、30歳代は49.3%で27.8ポイントの増となっております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 大分上がっている結果が出ているようです。今年度も、受診率向上のため、5月に無料クーポンを発行しましたが、今年度は、特にもっともっと若年層の受診率向上へ向けてどのような取り組みを計画・実行するのかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 若年層の受診率向上に向けた取り組みといたしましては、本年1月の成人式に子宮頸がん検診の啓発チラシを配布したほか、5月9日の母の日に合わせて、子宮頸がん・乳がん検診の街頭キャンペーンを行ったところであります。 今後におきましては、9月のがん征圧月間に合わせ、20歳代の子宮頸がん検診受診率の向上を目的として、市内2か所の大学において子宮頸がん検診の重要性について掲載したチラシを配布する等のキャンペーンを行うとともに、無料クーポン券の未使用者に対しましては受診勧奨通知を行うなど、受診率のさらなる向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 学生の皆さんなど、あとは成人式などでより積極的にPRするのは、効果的なことだと思います。 さて、ことし5月に無料クーポンを発行し、5月9日には街頭キャンペーンも行ったようですが、もしことしの5月・6月・7月で効果などがあればお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 本年7月末までの実績につきましては、無料クーポン券による受診者を含めた子宮頸がん検診の受診者総数は、無料クーポン券による検診の開始時期を昨年度は9月1日であったものを今年度は4か月早め5月1日に変更したことから、昨年同期に比較して1.47倍の増となっております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 先ほど、9月にもよりキャンペーンを強化するということですので、これから伸びることを期待しております。今年度、受診率や実績を上げるために、検診へ行こうと思ってもらえるような施策が重要となります。啓蒙については3番目で質問いたしたいと思います。 2点目は、子宮頸がんのワクチンについてです。 婦人科で配布しているチラシにもありましたが、ワクチンが承認され、共立病院婦人科でも、通院していない人でも紹介状なしでワクチン接種利用を呼びかけております。状況はどのようになっていますでしょうか。 ◎病院事業管理者(鈴木孝雄君) 総合磐城共立病院産婦人科では、平成22年4月から子宮頸がんワクチンの接種を受け付けており、4月から8月までのワクチン接種状況は、1回目接種を受けている患者さんは9名、2回目接種を受けている患者さんは5名となっております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 1回受けている方が9名ということで、認知度が低いということもあるかと思いますが、やはり何度も議論されている接種費用の高さが要因で利用がふえない状況かと思います。 これまで、いわき市としては、ワクチン接種費用の助成等については国の動向を注視するとしています。このたび、厚生労働省は、平成23年度予算概算要求で子宮頸がん予防対策強化事業に150億円を盛り込みました。8月31日に財務省に提示したようです。仕組み等は予算が閣議決定してからの冬になるということですが、現時点の案として、ターゲットは中学校1年生から高校1年生、事業費は接種費用434億円、手続き、通知、発送、普及・啓発費、消耗品で15億円という予算上モデルで算出し、国庫負担額が3分の1の150億円としたようです。 これを受け、現時点での、いわき市としてのワクチン接種についてのお考えをお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 子宮頸がん予防ワクチンの助成につきましては、今般、議員がお話ししましたとおり、厚生労働省において平成23年度の予算概算要求として子宮頸がん予防対策強化事業を要求した段階であり、市といたしましては、今後、国の動向等を見きわめながら対応してまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) ぜひこの案が通ることを私も願いながら、市としても、早急なるいろいろな対策を今からでもとっていただければと思います。国の補助は3分の1ということですけれども、来年度、もしこの予算概算要求が通って、ワクチン接種の費用が少しでも補助されれば、いわき市民の負担を減らし、受けたいという方が受けられる仕組みをとってくださいますよう強く要望したいと思います。 国では、この子宮頸がん予防対策について、子宮頸がん予防ワクチン接種を実施するに当たっては、事業の継続性・公平性、健康被害対策などを考慮する必要がある、将来的には予防接種法に位置づけることも視野に入れ予防接種部会で検討中、また、子宮頸がん予防対策としてワクチン接種を実施するに当たっては、子宮頸がんの原因や予防に関する普及・啓発とがん検診受診勧奨とのセットで行うことが重要としています。そこで、今回の子宮頸がん予防対策強化事業案の事業概要は、子宮頸がん予防ワクチンについて、がん検診とセットで効果的・効率的に実施されるよう、ワクチン接種の対象年齢、教育のあり方などの情報を収集・分析するため、市町村が実施する事業などに要する経費の一部を支援しようとしているようです。まだ不確定な部分もあります。 しかし、日本では年間およそ1万5,000人が子宮頸がんを発症し、およそ3,500人が死亡しています。20代から30代の発症率は過去20年で2倍以上と急上昇し、背景には性行動の低年齢化があると考えられています。ある専門家は、ワクチンを打てば痛みもあるし、場合によっては副作用もある、接種を受ける本人が納得して受けることが大切、接種する・しないを本人が判断できるように十分な知識を提供しなければならないとしています。そのことからも、子宮頸がんの予防や正しい知識をどれだけ知ってもらうか、子宮頸がんの検診をどれだけ受けてもらうかが、これからかなり重要になっていきます。 そこで、3点目は、市民の皆さんへの啓蒙についてです。 初めに、がん検診受診率向上のために、これまでもさまざまな施策を行っています。受診率向上に向けてのセミナー開催等についての取り組みをお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 受診率向上に向けたセミナーの開催等の取り組みにつきましては、昨年9月12日に、市総合保健福祉センターにおいて、子宮がんの予防や検診の重要性などを内容とした講演会を開催したところであります。聴講者のアンケート結果によりますと、大変わかりやすかった、定期的に開催してほしいといった回答が多く寄せられており、同講演会が有意義かつ好評であったものと考えておりますが、30代までの聴講者が全体の15%と少なかったことから、今後は若年層へ向けた啓発活動に努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 私も、その子宮がん予防講演会来場者からのアンケート意見を読ませていただきました。今部長の答弁にありましたように、若年層の参加が少ないという結果も出ておりました。現在、課題もあるようですが、その課題解決に向けて、啓蒙などどのような取り組みを具体的にされていくのかお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) 今年度は、女性特有のがんに関するセミナーとして、10月の乳がん撲滅月間に合わせて、乳がんに関する講演会を実施することとしておりますが、同じく女性特有のがんである子宮頸がん検診についても、チラシを配布するなどしてさらに啓発を行ってまいりたいと考えております。 また、昨年度のアンケート結果を参考にしながら、託児室を設けるほか、街なかで開催されるイベント期間に合わせて開催するなど、若年層が参加しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 託児所がないという意見を私も読ませていただいたので、ぜひそういった取り組みをされながら、その講演会をやりますというPRを学生の皆さんなどに配れるような態勢もとっていただければなと思います。 子宮頸がんが性行動の影響があるということ、先ほども言ったとおり若い人が発症することが多くなったこと、また、そのこと等が子供を産みにくい体にしてしまう危険性もあることなど、若い人たちにどれだけわかってもらうかが重要課題です。ぜひ、若い人たち、若年層をターゲットにした取り組みを積極的に行っていただければと思います。 次に、おやこ性教育教室なども開催されていますが、その取り組みについてお示しください。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) おやこ性教育教室につきましては、乳幼児を持つ保護者を対象に、性に対する質問をされたときの対応や家族がお互いを大切にすることについて、保健師が寸劇や絵本の読み聞かせ、参加者同士の話し合い等を取り入れて、性について親子が話し合えることを目的に、地区保健福祉センターごとに実施しております。 また、性・生教育セミナーにつきましても、希望する学校に保健師が出向き、児童・生徒を対象に、命のとうとさや性に関する正しい知識を伝え、自己決定力を高めることなどを目的に実施しております。 ◆8番(福嶋あずさ君) 先ほどのアンケート結果の中にもあったと部長の答弁にもありましたように、ぜひ若いお母さん方にも知ってほしい、知らなくてはならない内容でしたともありました。若年層に啓蒙する機会として、先ほどの、いろいろやられているおやこ性教育教室や性・生教育セミナーも考えられます。 おやこ性教育教室などでも、命の大切さを先ほど伝えているとありましたが、子宮頸がんの予防啓発ができないかお伺いいたします。 ◎保健福祉部長(本間靜夫君) おやこ性教育教室におきましては、先ほど申し上げました内容に加えて、10代の人工妊娠中絶や性感染症の現状等につきましても説明しているところであり、既に子宮頸がんについても性感染症の事例の1つとして取り上げ、予防の啓発に努めているところであります。 ◆8番(福嶋あずさ君) ぜひ、より強化しながら伝えていっていただければと思います。 10代の中絶などの話もありましたが、これから命を宿し育てていく、そして、ワクチン接種に適した年代の学生の皆さんへの正しい知識の啓蒙も大事になるかと思います。学校教育上での性教育の取り組みについてお伺いいたします。 ◎教育部長(渡辺紀夫君) 学校における性教育につきましては、学習指導要領に基づき、小学校3・4年生では思春期による体の変化について学んだり、中学校ではエイズや性感染症の予防を学ぶなど、発達段階に応じた指導を行うとともに、道徳の時間や特別活動において命の大切さを学ぶなど、学校教育活動全体を通して指導を行っております。 また、教職員が性に関する教育の研修会に参加するほか、平成21年度には福島県教育委員会が作成した「性に関する教育」の手引きを各学校へ配付するなど、性に関する教育のさらなる充実に努めているところであります。 ◆8番(福嶋あずさ君) それぞれ取り組みをされているようですが、こちらもまた子宮がん予防講演会のアンケートの中の言葉になりますが、小学校のPTA等で話をしていただけたらよいと思います。市内の小学校を順々に回っていただきたいです。また、お子様がいる方からは、娘に話します、息子に気をつけるように言いますなどもありました。ワクチン接種など、本人の判断も大事ですが、保護者の皆様の判断も大事になるかと思います。保護者の皆様も含めた学校での啓蒙が必要と考えます。 来年度から、補助がもしかしたらスタートするかもしれません。この機会に、学校の性教育の一環として、専門家を招いてのセミナー等を開催し、子宮頸がんの正しい知識を学習する機会に積極的に取り組むことを検討すべきと思いますがいかがでしょうか。 ◎教育部長(渡辺紀夫君) 性感染症につきましては、学習指導要領に基づき、中学校3年の保健体育の授業で学習することとなっておりますが、その中で、子宮頸がんを性感染症の一部として取り上げている学校や、特別活動の時間などに産婦人科医などの専門家による性に関する講演会等も開催している学校がございます。 今後は、このような事例をほかの学校へ紹介したり、市役所出前講座にも性に関する講座がございますので、その活用を呼びかけるなど、学校における取り組みが広がるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆8番(福嶋あずさ君) ぜひ学校でも、性教育というのはとてもデリケートなものかと思いますけれども、命を守るという意味で積極的に取り組んでいただければと思います。 出産を望む方が子宮頸がんなどで出産をあきらめなくてはいけない例も伺います。正しい知識を知らずに、いつか命を授かりたいと思ったとき、気軽な性交渉が原因で、予防できるものだったかもしれないのに心も体も傷つくことがないように願っています。 大分時間を残しましたが、以上で、私の一般質問を終わります。つたない質問でしたが、丁寧な御答弁、温かい御清聴まことにありがとうございました。(拍手)--------------------------------------- △散会
    ○副議長(磯上佐太彦君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の本会議は午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて散会いたします。               午後4時14分 散会---------------------------------------...